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- 3PL事業者が求める物流機能と物流不動産市場への影響(1)~拡大する3PLビジネスの現状~
2022年01月19日
(3)多頻度小口輸送への対応
経済産業省「電子商取引に関する市場調査」によれば、2020年の物販系のインターネット通販市場(EC市場)は、約12.2兆円に達した。市場規模の拡大につれてEC化率(全ての商取引額に対する電子商取引額の割合)も上昇しており、2020年は8.1%に大きく上昇した(図表-9)。
こうしたEC市場の拡大等を契機に、配送業務の現場では、必要なものを、必要なだけ、必要なときに運ぶ「ジャストインタイム」が求められ、貨物の多頻度小口化が進んでいる。国土交通省「全国貨物純流動調査」によれば、流動ロット(1件あたり貨物重量)は、縮小傾向で推移している。特に、東京圏の流動ロットは、2000年の1.33トン/件から2015年の0.66トン/件へと半減している(図表-10)。
経済産業省「電子商取引に関する市場調査」によれば、2020年の物販系のインターネット通販市場(EC市場)は、約12.2兆円に達した。市場規模の拡大につれてEC化率(全ての商取引額に対する電子商取引額の割合)も上昇しており、2020年は8.1%に大きく上昇した(図表-9)。
こうしたEC市場の拡大等を契機に、配送業務の現場では、必要なものを、必要なだけ、必要なときに運ぶ「ジャストインタイム」が求められ、貨物の多頻度小口化が進んでいる。国土交通省「全国貨物純流動調査」によれば、流動ロット(1件あたり貨物重量)は、縮小傾向で推移している。特に、東京圏の流動ロットは、2000年の1.33トン/件から2015年の0.66トン/件へと半減している(図表-10)。
(4)深刻化するトラックドライバー不足
近年のEC市場の急激な拡大に伴い、自動車輸送の需要が高まったことで、これらの輸送を担うトラックドライバー不足が深刻な課題となっている。
公益財団法人全日本トラック協会「トラック運送業界の景況感」によれば、トラックドライバーの労働需給を表す「雇用状況」(プラスは人手不足、マイナスは人員過剰を示す)は、2019年第4四半期に深刻な人手不足を示す「81.8」にまで高まった。2020年に入り、新型コロナウィルス感染拡大に伴う貨物量減少の影響を受け、2020年第2四半期には「19.6」まで低下したが、その後の貨物量の回復を受けて再びプラス幅(人手不足)が拡大している(図表-12)。
今後、荷主企業の物流部門は十分なトラックドライバーを確保し、物流サービスの品質を維持することが難しくなる事態も想定される。こうしたトラックドライバー不足が、自社で配送ネットワークを持つ「運輸業・倉庫業系」3PL事業者等への外部委託を後押ししていると考えられる。
近年のEC市場の急激な拡大に伴い、自動車輸送の需要が高まったことで、これらの輸送を担うトラックドライバー不足が深刻な課題となっている。
公益財団法人全日本トラック協会「トラック運送業界の景況感」によれば、トラックドライバーの労働需給を表す「雇用状況」(プラスは人手不足、マイナスは人員過剰を示す)は、2019年第4四半期に深刻な人手不足を示す「81.8」にまで高まった。2020年に入り、新型コロナウィルス感染拡大に伴う貨物量減少の影響を受け、2020年第2四半期には「19.6」まで低下したが、その後の貨物量の回復を受けて再びプラス幅(人手不足)が拡大している(図表-12)。
今後、荷主企業の物流部門は十分なトラックドライバーを確保し、物流サービスの品質を維持することが難しくなる事態も想定される。こうしたトラックドライバー不足が、自社で配送ネットワークを持つ「運輸業・倉庫業系」3PL事業者等への外部委託を後押ししていると考えられる。
5. おわりに
3PL事業者は、顧客企業のニーズに柔軟に対応するため、物流施設の移転自由度を確保しつつ、高機能な設備を活用できる大型物流施設を賃貸するケースが多い。「月刊ロジスティクスビジネス」のアンケート調査によれば、「倉庫新設」の見通しについて、賃貸施設利用を中心とすると回答した企業(「賃貸中心」と「どちらかというと賃貸中心」の合計)が6割強を占める(図表-13)。先進的大規模物流施設の賃貸利用を志向する3PL事業者の事業拡大が、近年の物流施設への旺盛な賃貸需要を牽引しているといえる。
次回のレポートでは、3PL事業者の物流拠点の特徴を概観した上で、3PLビジネスの方向性が物流不動産市場に及ぼす影響について考えたい。
次回のレポートでは、3PL事業者の物流拠点の特徴を概観した上で、3PLビジネスの方向性が物流不動産市場に及ぼす影響について考えたい。
(ご注意)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
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経歴
- 【職歴】
2007年 住信基礎研究所(現 三井住友トラスト基礎研究所)
2018年 ニッセイ基礎研究所
【加入団体等】
一般社団法人不動産証券化協会資格教育小委員会分科会委員(2020年度~)
(2022年01月19日「不動産投資レポート」)
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