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コロナ禍における日本の感染予防行動の実態とは?-マスクの着用、手洗いうがい、ソーシャルディスタンスの実施率は7割超、体温計測は3割近くが未実施-
生活研究部 研究員・ジェロントロジー推進室・ヘルスケアリサーチセンター 兼任 乾 愛
現在、新型コロナウイルス感染症は、第5波のピークを過ぎ、終息傾向にある。その一要因として、行動抑制を含む感染予防行動があげられているが、標準的感染予防行動と称されるマスクの着用や手洗い・うがい、他人との身体的距離確保の心がけ(ソーシャルディスタンス)などの行動実態は明らかにされていない。
本稿では、「2021年度特別調査 第5回 新型コロナによる暮らしの変化に関する調査 」データを使用し、新型コロナウイルス感染症に影響を受けた感染予防行動の実態について分析した。
その結果、マスクの着用や手洗い・うがい、他人との身体的距離確保の心がけ(ソーシャルディスタンス)は7割超が実施しており、体温計測は3割も未実施である実態が明らかとなった。また、全ての感染予防行動において女性が有意な影響を示し、マスクの着用や咳エチケット・ソーシャルディスタンス・手洗い・うがいには基礎疾患の有がプラスの影響、独居状態がマイナスの影響を与える結果が明らかとなった。さらに、体温計測においては、医療・福祉職であることや就学前・義務教育期間中の子どもがいることがプラスの行動を促し、未婚者ではマイナスの影響を与えていることが明らかとなった。これらの感染予防行動に影響を与える要因を考慮の上、今後の対策を講じる必要性が示唆された。
■目次
1――研究の背景
2――感染予防行動の実施状況
3――感染予防行動の要因分析
4――考察
5――分析の限界
03-3512-1847
- 【職歴】
2012年 東大阪市 入庁(保健師)
2018年 大阪市立大学大学院 看護学研究科 公衆衛生看護学専攻 前期博士課程修了
(看護学修士)
2019年 ニッセイ基礎研究所 入社
2019年~大阪市立大学大学院 看護学研究科 研究員(現:大阪公立大学 研究員)
【資格】
看護師・保健師・養護教諭一種・第一種衛生管理者
【加入団体等】
日本公衆衛生学会・日本公衆衛生看護学会・日本疫学会
公式SNSアカウント
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