2021年09月22日

米住宅着工・許可件数(21年8月)-集合住宅の好調で着工件数は161.5万件と前月(155.4万件)、市場予想(155.0万件)を上回る

経済研究部 主任研究員   窪谷 浩

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1.結果の概要:着工、許可件数ともに前月、市場予想を上回る

9月21日、米国センサス局は8月の住宅着工、許可件数を発表した。住宅着工件数(季節調整済、年率)は161.5万件(前月改定値:155.4万件)と153.4万件から上方修正された前月、市場予想の155.0万件(Bloomberg集計の中央値)を上回った(図表1、図表3)。

住宅着工許可件数(季節調整済、年率)は172.8万件(前月改定値:163.0万件)と、163.5万件から小幅下方修正された前月、市場予想の160.0万件を上回った(図表2、図表5)。
(図表1)住宅着工件数/(図表2)住宅着工許可件数

2.結果の評価:集合住宅の好調から着工、許可件数ともに前月から増加

住宅着工件数の伸びは前月比+3.9%(前月:▲6.2%)と前月からプラスに転じた(図表3)。内訳をみると、戸建てが前月比▲2.8%(前月:▲4.7%)と2ヵ月連続でマイナスとなった一方、集合住宅が+20.6%(前月:▲9.9%)とプラスに転じて全体を押し上げた(図表4)。

前年同月比では+17.4%(前月:+3.8%)と6ヵ月連続でプラスとなったほか、2桁の伸びとなった。戸建てが+5.2%(前月:+11.3%)とプラス幅が縮小したものの、集合住宅が+52.7%(前月:▲11.0%)と大幅なプラスに転じて全体を押し上げた。

地域別寄与度(前月比)は、西部が▲5.5%ポイント(前月:▲2.3%ポイント)と2ヵ月連続でマイナスとなったものの、北東部が+7.2%ポイント(前月:▲4.8%ポイント)、中西部が+1.4%ポイント(前月:▲0.8%ポイント)と前月からプラスに転じたほか、南部が+0.8%ポイント(前月:+1.7%ポイント)と4ヵ月連続でプラスとなった。
(図表3)住宅着工件数(伸び率)/(図表4)住宅着工件数前月比(寄与度)
先行指標である住宅着工許可件数は、前月比+6.0%(前月:+2.3%)と2ヵ月連続でプラスとなった(図表5)。戸建てが+0.6%(前月:▲1.7%)と5ヵ月ぶりにプラスに転じたほか、集合住宅が+15.8%(前月:+10.2%)と2ヵ月連続の2桁のプラスとなり、全体を押し上げた(図表6)。

前年同月比は+13.5%(前月:+5.7%)と15ヵ月連続のプラスとなったほか、前月からプラス幅は拡大した。戸建てが▲0.1%(前月:+5.5%)とマイナスに転じたものの、集合住宅が+44.3%(前月:+6.0%)とプラス幅が大幅に拡大して全体を押し上げた。
(図表5)住宅着工許可件数(伸び率)/(図表6)住宅着工許可件数前月比(寄与度)
(図表7)住宅市場指数(項目別) 全米建設業協会(NAHB)による戸建て新築住宅販売のセンチメントを示す住宅市場指数は、9月が76(前月:75)と前月比+1ポイントと、4ヵ月ぶりに上昇した(図表7)。

内訳は販売見込みが81(前月:81)と横這いとなったものの、販売現況が82(前月:81)、客足が61(前月:59)とそれぞれ前月から上昇した。

NAHBは改善理由として木材価格の下落と住宅需要の堅調さを挙げた。もっとも、8月の着工・許可件数の結果からは、戸建てから集合住宅への住宅需要のシフトがみられる。これは、住宅価格の上昇に伴い、戸建て住宅取得のハードルが上がり、相対的に価格が低い集合住宅が選好されている結果とみられる。この傾向は暫く続こう。
 
 

(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
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経済研究部   主任研究員

窪谷 浩 (くぼたに ひろし)

研究・専門分野
米国経済

(2021年09月22日「経済・金融フラッシュ」)

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