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世界各国の金融政策・市場動向(2021年8月)-金融政策正常化の動きが進む
経済研究部 主任研究員 高山 武士
1.概要:金融政策正常化の動きが進む
1 本稿では金融政策はG20について確認する。また、株価・為替についてはMSCI ACWIの指数を構成する50か国・地域について確認する。中国と記載した場合は中国本土を指し香港は除く。また、香港等の地域も含めて「国」と記載する。
2.金融政策:新興国を中心に金融引き締め・正常化の動き
8月は日本・米国・ユーロ圏では金融政策を決定する会合は開催されていない。その他の国では、チェコ、ブラジル、メキシコ、ハンガリー、韓国で政策金利の引き上げが決定され、コロナ禍後の金融緩和からの正常化を模索する動きが目立った。
これらの国のうち、韓国はコロナ禍後で初めての利上げ、チェコとメキシコは6月に続く2会合連続の利上げ、ハンガリーは6・7月に続く3会合連続の利上げ、ブラジルは4会合連続の利上げとなっている。特にブラジルでは足もとの消費者物価の上昇(7月で前年同月比8.99%、インフレ目標は3.75±1.5%)を懸念し、今回の会合では1%の利上げを決定、5.25%と2019年10月(5.5%)以来の水準まで引き上げている。また、ハンガリーでは、今回の利上げと同時に資産購入策における購入ペースの減額を決定している。
また、8月は27日にジャクソンホール会議が開かれ(昨年と同様にオンライン開催)、特にFRBのパウエル議長の発言に注目が集まっていた。実際の発言内容は、量的緩和の縮小(テーパリング)の開始時期について年内開始が適当であるとの見解など事前予想に沿ったものと言え、サプライズはなかったと言える。
3.金融市場:株価は上昇、為替はドル高傾向が継続
2 ただしMSCIに組み入れられているアルゼンチンの銘柄は3銘柄のみで、特に1銘柄(IT関連株のGlobant)のウエイトが高いので、株価変動の要因としては特定銘柄の起因するものも大きい。
3 名目実効為替レートは2021年8月23日の前月末比で算出。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2021年09月01日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1818
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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