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- 英国雇用関連統計(7月)-改善が続き、求人数は過去最高に
1.結果の概要:雇用環境の改善が続く
【7月】
・失業保険申請件数1は前月(230.08万件)から0.78万件減の229.30万件となった(図表1)。
・申請件数の雇用者数に対する割合は5.7%となり、前月(同5.7%)と同じだった。
【6月(4-6月の3か月平均)】
・失業率は4.7%で前月(4.8%)から低下、市場予想2(4.8%)より良かった(図表1)。
・就業者は3227.6万人で3か月前の3218.1万人から9.5万人の増加となった。
増減数は前月(2.5万人)から増加したが、市場予想(+10.0万人)は下回った。
・週平均賃金は、前年同期比8.8%で前月(7.4%)から加速、市場予想(8.6%)も上回った(図表2)。
1 求職者手当(JSA:Jobseekerʼs Allowance)、国民保険給付(National Insurance credits)を受けている者に加えて、主に失業理由でユニバーサルクレジット(UC)を受給している者の推計数の合算。なお、UCはJSAより幅広い求職手当てであり、失業者数を示す統計としては過大評価している可能性がある。このため、ONSは失業保険等申請件数について公式統計とはしておらず実験統計という位置付けで公表している。ただし、公表日の前月のデータを入手できるため、速報性の高さという利点がある。
2 bloomberg集計の中央値。以下の予想値も同様。
2.結果の詳細:求人数は過去最高、労働需要が高まる
給与所得者データ3を見ると、7月の給与所得者は2886.0万人で6月から18.2万人増えた。なお6月の数値は前月の速報値から大きく下方修正されている(修正幅は▲18.0万人)。今回公表値では、20年12月以来8か月連続の増加となり、増加幅もここ3か月は大幅増を維持していることが分かる(図表4)。7月はこれまで回復を主導してきた居住・飲食・芸術・娯楽業の増加幅が縮小したものの製造業や事務サービス・公的部門などそれ以外の業種で増加幅が拡大した。また流入数がコロナ禍前の水準を上回る状況となっており、ここからも労働需要の強さが読み取れる(図表5)。
月あたり給与額(中央値)については前年同月比6.4%で6月(8.2%)から減速した。ただし、7月はベース効果がほとんど剥落していることを勘案すると高い伸び率と言える。
3 歳入関税庁(HRMC)の源泉徴収情報を利用した実験統計。直近データは利用可能な情報の85%ほどを集計して算出。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2021年08月18日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1818
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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