2021年08月02日

ユーロ圏GDP(2021年4-6月期)-制限緩和で大幅反発

経済研究部 准主任研究員   高山 武士

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1.結果の概要:2四半期連続の前期比マイナスから大幅反発

7月30日、欧州委員会統計局(Eurostat)はユーロ圏GDPの一次速報値(Preliminary Flash Estimate)を公表し、結果は以下の通りとなった。
 

【ユーロ圏19か国GDP(2021年4-6月期、季節調整値)】
前期比は2.0%、市場予想1(1.5%)より上振れ、前期(▲0.3%)から改善した(図表1)
前年同期比は13.7%、市場予想(13.2%)より上振れ、前期(▲1.3%)から改善した(図表2)

(図表1)ユ ーロ圏の実質GDP成長率(需要項目別寄与度)/(図表2)ユーロ圏の実質GDP成長率(需要項目別寄与度)
 
1 bloomberg集計の中央値。以下の予想も同様

2.結果の詳細:コロナ禍後のピークを越え、コロナ禍前まであと3%

2021年4-6月期の成長率は前期比2.0%(年率換算8.3%)となり、2四半期連続でのマイナス成長から大幅に反発、コロナ禍後のピークであった20年7-9月期の水準も上回った。4-6月期は感染拡大が落ち着き行動制限の緩和も進めていたため、経済活動が再び活発化したと見られる。ただし、コロナ禍前(19年10-12月期)の水準と比較するとまだ3.0%ほど低い水準にある。

経済規模の大きい4か国の伸び率を見ると(図表3)、前期比ではドイツ1.5%、フランス0.9%、イタリア2.7%、スペイン2.8%となり、これら以外の国でも速報時点で公表されている国はすべてプラスを記録した。前年同期比では、ドイツ9.2%、フランス18.7%、イタリア17.3%、スペイン19.8%であり、コロナ禍で大きく落ち込んだ時点からの比較となるため、落ち込みが深刻だった国ほど伸び率が高くなっている。コロナ禍前と比較すると大国4か国はすべてマイナス圏にあり、特にスペインはコロナ禍前と比較して活動水準が依然として低いことが分かる(図表4)。
(図表3)ユーロ圏主要国の4-6月期GDP伸び率/(図表4)ユーロ圏主要国のGDP水準(コロナ禍前との比較)
次にフランスとスペインは各国統計局(フランス国立統計経済研究所(INSEE)、スペイン統計局(INE))がGDPの詳細を公表しているので、以下で見ていきたい。

フランスの成長率(前期比)を需要項目別に見ると、個人消費0.9%(前期0.2%)、政府消費0.6%(前期▲0.4%)、投資1.1%(前期0.4%)、輸出1.5%(前期▲0.5%)、輸入1.9%(前期1.1%)となった。すべての主要項目で回復しており、投資についてはコロナ禍前の水準である2019年10-12月期を上回っている(図表5、ここでは2019年の平均を100として記載)。

産業別の付加価値を見ると、製造業が0.1%(前期1.0%)、建設業が1.7%(前期0.9%)、市場型サービス産業1.7%(前期▲0.2%)、非市場型サービス▲0.4%(前期0.3%)だった。コロナ禍前との比較では市場型サービスが4.5%ほど低く、特に、コロナ禍で低迷していた住居・飲食業は前期比では29.3%と急回復しているが、コロナ禍前と比較すると41.9%ほど低い水準にある。
(図表5)フランスの実質GDP水準/(図表6)スペインの実質GDP水準
スペインの成長率(前期比)を需要項目別に見ると、個人消費6.6%(前期▲0.4%)、政府消費0.8%(前期▲0.1%)、投資▲1.5%(前期▲0.8%)、輸出0.4%(前期▲1.7%)、輸入2.9%(前期▲1.3%)となった。スペインの場合、個人消費の回復がフランスと比較しても大きいが、投資が低迷しており、GDPの回復が遅い要因となっている(図表6)。

産業別には、製造業が前期比1.1%(前期▲3.2%)、建設業が前期比▲3.1%(前期▲4.3%)、サービス業が前期比3.4%(前期0.3%)となっている。コロナ禍前との比較ではサービス業が6.6%低いのに対して建設業は19.1%低く、スペインでは建設業の不振も目立つ。
 
 

(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
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経済研究部   准主任研究員

高山 武士 (たかやま たけし)

研究・専門分野
欧州経済、世界経済

(2021年08月02日「経済・金融フラッシュ」)

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