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世界各国の金融政策・市場動向(2021年6月)-金融政策の引き締めの動きが広がる
経済研究部 主任研究員 高山 武士
1.概要:金融引き締めの動きが広がる、為替はドル高にシフト
1 本稿では金融政策はG20について確認する。また、株価・為替についてはMSCI ACWIの指数を構成する50か国・地域について確認する。中国と記載した場合は中国本土を指し香港は除く。また、香港等の地域も含めて「国」と記載する。
2.金融政策:金融引き締めの動きが広がる
6月は、日本・米国・ユーロ圏で決定会合が開催されているが、日本がコロナ禍の企業支援策の実施期間を調整したのみで、金融政策方針の大きな変更はなかった2。ただし、米国ではFRBが公表したFOMC参加者の政策金利見通し(いわゆる「ドットチャート」)が上方(利上げ方向)に修正されたために、ややタカ派な内容だったと評価された。
また、それ以外の国でもブラジルおよびロシアがそれぞれ3会合連続での利上げを決定し、またハンガリー・チェコ・メキシコにおいてもコロナ禍後で初となる利上げに踏み切っている。ワクチン接種により経済の正常化が進むなかで、世界的なエネルギー・一次産品価格の上昇がインフレリスクとして台頭してきたことが背景にあると見られる。先進国では緩和的な姿勢を続ける中央銀行が多いが、新興国では引き締めの動きが広がってきたと言える。
2 大きな金融政策方針の変更ではないが、日本では気候変動に関する資金供給の仕組みの導入、米国では超過準備付利金利(IOER)と翌日物リバースレポ金利の0.05%の引き上げ(IOER:0.10→0.15%、リバースレポ:0.00→0.05%)が決定されている。
3.金融市場:株価は下落後持ち直し、為替はドル高にシフト
通貨の騰落率を見ると、対ドルの27カ国の貿易ウエイトで加重平均した実効為替レート(Narrow)が前月比▲2.0%、60カ国の貿易ウエイトで加重平均した実効為替レート(Broad)が前月比▲1.4%となり、大きくドル高方向にシフトした3(前掲図表2)。
3 名目実効為替レートは2021年5月25日の前月末比で算出。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2021年07月01日「経済・金融フラッシュ」)
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- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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