2021年05月19日

米住宅着工・許可件数(21年4月)-依然として高水準を維持も戸建てを中心に住宅市場の回復に陰り

経済研究部 主任研究員   窪谷 浩

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1.結果の概要:許可件数は小幅に市場予想を上回ったものの、着工件数は大幅に下回る

5月18日、米国センサス局は4月の住宅着工、許可件数を発表した。住宅着工件数(季節調整済、年率)は156.9万件(前月改定値:173.3万件)と173.9万件から下方修正された前月を下回ったほか、市場予想の170.4万件(Bloomberg集計の中央値)も大幅に下回った(図表1、図表3)。

住宅着工許可件数(季節調整済、年率)は176.0万件(前月改定値:175.5万件)と、176.6万件から下方修正された前月、市場予想の177.0万件を小幅ながら上回った(図表2、図表5)。
(図表1)住宅着工件数/(図表2)住宅着工許可件数

2.結果の評価:木材価格の高騰もあって戸建て市場の回復に陰り

住宅着工件数の伸びは前月比▲9.5%(前月:+19.8%)と前期の2桁の伸びからマイナスに転じた(図表3)。内訳をみると、集合住宅が前月比+0.8%(前月:+26.5%)と小幅ながらプラスを維持した一方、戸建てが▲13.4%(前月:+17.4%)とマイナスに転じて全体を押し下げた(図表4)。

前年同月比では+67.3%(前月:+36.6%)と新型コロナで落ち込んだ前年の反動もあって前月から伸びが大幅に加速した。戸建てが+58.7%(前月:+42.6%)となったほか、集合住宅が+90.5%(前月:+22.9%)といずれも大幅な伸びとなった。

地域別寄与度(前月比)は、西部が+1.9%ポイント(前月:▲4.4%ポイント)と前月からプラスに転じたほか、北東部が+0.6%ポイント(前月:+3.7%ポイント)と2ヵ月連続でプラスとなった。一方、中西部が▲5.9%ポイント(前月:+11.1%ポイント)、南部が▲6.0%ポイント(前月:+9.5%ポイント)と前月からマイナスに転じるなどマチマチの展開となった。
(図表3)住宅着工件数(伸び率)/(図表4)住宅着工件数前月比(寄与度)
先行指標である住宅着工許可件数は、前月比+0.3%(前月:+1.7%)とこちらは2ヵ月連続でプラスとなった(図表5)。戸建てが▲3.8%(前月:+4.3%)と前月からプラスに転じた一方、集合住宅が+8.9%(前月:▲3.4%)とプラスに転じて全体を押し上げた(図表6)。

前年同月比は+60.9%(前月:+29.4%)と11ヵ月連続のプラスとなった。戸建てが+70.7%(前月:+35.1%)と10ヵ月連続で2桁のプラスとなったほか、集合住宅も+45.1%(前月:+18.9%)と4ヵ月連続で2桁のプラスとなった。
(図表5)住宅着工許可件数(伸び率)/(図表6)住宅着工許可件数前月比(寄与度)
(図表7)住宅市場指数(項目別) 一方、全米建設業協会(NAHB)による戸建て新築住宅販売のセンチメントを示す住宅市場指数は、5月が83(前月:83)と前月から横這いとなった(図表7)。

指数の内訳は販売現況が88(前月:88)と前月から横這いとなった一方、販売見込みが81(前月:80)と+1ポイントの上昇、客足が73(前月:74)と▲1ポイント低下するなど、マチマチの展開となった。NAHBは建設業者の間で木材価格やその他建設コストの増加が懸念材料であるとしており、建設コストの増加によって戸建てを中心に住宅市場の回復に陰りがみられる可能性を示唆した。
 
 

(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
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経済研究部   主任研究員

窪谷 浩 (くぼたに ひろし)

研究・専門分野
米国経済

(2021年05月19日「経済・金融フラッシュ」)

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