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マイナポイント等がマイナンバーカード取得に与えた効果と、普及に向けた課題
清水 仁志
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本稿は、マイナポイント導入前後におけるマイナンバーカード取得の動向を分析することで、マイナポイントを主とする一連の施策によるマイナンバーカード取得への効果がどの程度あったのかについて確認し、今後の普及について述べたものである。
全国でのマイナポイントによるカード取得効果は最大で9.9%、人口に換算して1,263万人程度であったと考えられる。
性・年齢別では、どの属性においてもマイナポイントによりマイナンバーカードの取得が進んだ。特に、15歳以下ならびに子育て世代、女性でマイナポイントによるカード取得効果が大きかった。一方、高齢層では相対的にマイナポイントの効果は小さかった。
今回のマイナポイントは、カードを取得させることだけに焦点を当てており、その意味においては、一定の効果はあったと言える。しかし、金銭的なインセンティブを与えるという大盤振る舞いをしたにもかかわらず、未だ想定の交付率を下回っており、今後のマイナンバーカード普及に向けた道しるべを立てるには至っていない。
マイナンバーカードの本来の目的は、デジタル・ガバメントや、社会全体のデジタル化の実現である。肝心の「利用」までの道筋を立てないまま、取得にばかり専念してもカードの普及や活用には自ずと限界がくる。普及のために大掛かりな施策をするのみではなく、地道な施策の積み重ねにより、利便性向上に向けたシステムづくり、そして広報を進めていき、取得から利用へと繋げることが重要である。
■目次
1――はじめに
2――マイナポイントによるマイナンバーカード取得効果
1|全国での効果
2|性・年齢別での効果
3――今後のマイナンバーカード普及の課題
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