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- コロナ禍で増す「家飲み」需要-現役世帯を中心に支出増加、ウィスキーで非日常感も楽しむ?
2021年04月28日
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■要旨
■目次
1――はじめに
~コロナ禍で「外飲み」から「家飲み」需要へシフト、「外飲み」気分を味わえる新商品も登場
2――コロナ禍におけるアルコール支出の変化
~「家飲み」支出増加、ウィスキーで非日常感も楽しむ?
1|二人以上世帯の状況
~「外飲み」大幅減少、「家飲み」増加でアルコール関連支出はトータルでは減少
2|世帯類型別の特徴
~現役世帯を中心に「家飲み」支出増加、ウィスキーで非日常感も楽しむ?
3――近年のアルコール消費動向~若者ほどあえて飲まない「ソーバーキュリアス」の増加
4――おわりに~成熟市場における商品の多様化、コロナ禍ならではのヒット商品にも期待
- 総務省「家計調査」によると、2020年3月以降、二人以上世帯の外食の「飲酒代」は前年同月より減少する一方、「酒類」は増加している。特に「チューハイ・カクテル」の増加幅が大きい。「家飲み」の支出額は増えているが、元々支出額の大きな「外飲み」が減ることで、世帯当たりのアルコール関連の支出額は全体としては減少している。
- 世帯主の年齢によらず「酒類」は増えているが、特にコロナ前は会社帰りの「外飲み」機会の多かった30~50歳代の現役世帯で目立つ。内訳は、ビールや発泡酒など以前も家で日常的に飲んでいたものに加えて、非日常感や気分転換を求めているのか、若い世帯を中心にウィスキーなど、以前は家であまり飲んでいなかったものも増えている。
- 近年の変化に目を向けると、若者や男性では20年前より飲酒習慣率が低下し、「アルコール」離れをしている。米国のミレニアル世代を中心に健康などへの悪影響から、あえて飲まない選択をする「ソーバーキュリアス」という新潮流があり、日本の若者でも半数以上は日常的に飲酒をしていない。コスパ意識や安全志向の高い若い世代では、飲酒はメリットをデメリットが上回る娯楽と認識されている可能性がある。
- コロナ禍で、飲食店のようなきめ細かな泡を楽しめる缶ビールや極低アルコール飲料など「家飲み」需要を見込んだ新商品が登場している。成熟市場では、時勢に応じて、いかにきめ細やかに消費者のニーズをくみ取れっていくかが重要だ。コロナ禍で需要構造が激変し、苦境に立たされる企業も多い。ウイルスとの戦いは未だ続いているが、今後とも様々な領域で企業の取り組みに期待をしていきたい。
■目次
1――はじめに
~コロナ禍で「外飲み」から「家飲み」需要へシフト、「外飲み」気分を味わえる新商品も登場
2――コロナ禍におけるアルコール支出の変化
~「家飲み」支出増加、ウィスキーで非日常感も楽しむ?
1|二人以上世帯の状況
~「外飲み」大幅減少、「家飲み」増加でアルコール関連支出はトータルでは減少
2|世帯類型別の特徴
~現役世帯を中心に「家飲み」支出増加、ウィスキーで非日常感も楽しむ?
3――近年のアルコール消費動向~若者ほどあえて飲まない「ソーバーキュリアス」の増加
4――おわりに~成熟市場における商品の多様化、コロナ禍ならではのヒット商品にも期待
(2021年04月28日「基礎研レター」)
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経歴
- プロフィール
【職歴】
2001年 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ入社
2007年 独立行政法人日本学術振興会特別研究員(統計科学)採用
2010年 ニッセイ基礎研究所 生活研究部門
2021年7月より現職
・内閣府「統計委員会」専門委員(2013年~2015年)
・総務省「速報性のある包括的な消費関連指標の在り方に関する研究会」委員(2016~2017年)
・東京都「東京都監理団体経営目標評価制度に係る評価委員会」委員(2017年~2021年)
・東京都「東京都立図書館協議会」委員(2019年~2023年)
・総務省「統計委員会」臨時委員(2019年~2023年)
・経済産業省「産業構造審議会」臨時委員(2022年~)
・総務省「統計委員会」委員(2023年~)
【加入団体等】
日本マーケティング・サイエンス学会、日本消費者行動研究学会、
生命保険経営学会、日本行動計量学会、Psychometric Society
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