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株価リスクの低下は先行不透明感の払拭と同義か?

金融研究部 主任研究員・年金総合リサーチセンター・ジェロントロジー推進室・ESG推進室兼任 高岡 和佳子
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ここ10年間、株価変動リスクが徐々に低下してきたようだ。リーマン・ショックを含む2006年~2010年の5年間と、コロナ・ショックを含む2016年~2020年の5年間とを比較するとTOPIXの日次変化率の標準偏差が3割近く低下している。
株価変動リスクの本質は発行体企業が営む事業の先行きの不確実性および不透明感といった事業リスクであるが、負債比率等の資本構成による影響(財務リスク)も多分に受ける。ご存じの通り、リーマン・ショック後、借入金を返済して財務体質を強化する動きがあり、また、ここ数年の株価上昇も著しい。10年前と比べると、負債比率が低下し、財務リスクは低下していると考えられる。では、ここ10年間の段階的な株価変化変動リスクの低下は、資本構成の変化だけが原因か、それとも事業リスクも低下しているのだろうか。
当レポートでは、株価変動リスクを財務リスクと事業リスク分離する。その結果、株価変化変動リスクが徐々に低下傾向にあるのに対し、事業リスクがリーマン・ショック前後を頂点として低下傾向にあったが、近年上昇傾向にあることを確認した。
■目次
1――はじめに
2――事業リスクの変化の中でも、投資家の事業リスクに対する態度の変化に着目する
3――資本構成の変化で株価リスクの低下を説明できるか
1|レバレッジ要因と事業リスク要因をどのように分離するか(企業価値の推定)
2|レバレッジ要因と事業リスク要因をどのように分離するか(事業リスクの推定)
4――株価リスクの推移と、レバレッジ要因、事業リスク要因
5――最後に
(2021年04月07日「基礎研レポート」)

03-3512-1851
- 【職歴】
1999年 日本生命保険相互会社入社
2006年 ニッセイ基礎研究所へ
2017年4月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会検定会員
高岡 和佳子のレポート
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