2021年04月02日

ロシアGDP(2020年10-12月期)-10-12月期は低迷が続く状況に

経済研究部 准主任研究員   高山 武士

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1.結果の概要:10-12月期は前年同期比▲1.8%まで改善

4月1日、ロシア連邦統計局は国内総生産(GDP)を公表し、結果は以下の通りとなった。
 

【実質GDP成長率(未季節調整系列)】
2020年10-12月期の前年同期比伸び率は▲1.8%、予想1(同▲2.2%)から上振れ、前期(同▲3.5%)からマイナス幅が縮小した(図表1・2)
2020年暦年での前年比伸び率は▲3.0%、速報値(同▲3.1%、同局が2月1日公表)から上方修正、前年(同+2.0%)からは悪化

(図表1)ロシアの実質GDP成長率(需要項目別寄与度)/(図表2)ロシアの実質GDP成長率(供給項目別寄与度)
 
1 bloomberg集計の中央値。以下の予想値も同様。

2.結果の詳細:前期比ではマイナス成長、低迷が続く

まず、需要項目別の前年同期比を見ると、家計消費が▲3.2%(前期:▲5.6%)、政府消費が4.1%(前期:4.2%)、投資が▲2.1%(前期:▲7.9%)、輸出が▲6.5%(前期:8.1%)、輸入が▲5.5%(前期:▲19.9%)となった。主要項目は政府消費がプラスであったが、他の項目は弱含みが続いている。全体の成長率を押し上げたのは、在庫変動の寄与(約+2.0%ポイント)や輸入(寄与度で約+1.3%ポイント)であった。

次に産業別の伸び率を見る(図表3)。大分類で見ると10-12月期は第一次産業で悪化、金融・不動産業で伸びが鈍化したが、第二次産業と金融・不動産を除く第三次産業はマイナス幅を縮小させている。ただし、コロナ禍の影響を大きく受けている「飲食・居住サービス」は前年同期比▲20.7%(前期:▲20.4%)、「自家利用2」が▲26.0%(前期:▲29.4%)と弱い状況が続いている。また、シェアの大きい小売・卸売で▲1.8%(前期:▲1.3%)とマイナス幅が拡大している。

一方、同じくシェアの大きい第二次産業の鉱業は▲10.4%(前期:▲14.8%)、製造業は2.0%(前期:0.0%)、建設業は2.1%(前期:▲2.1%)と改善が見られる。
(図表3)ロシアの実質GDP成長率(産業別)
なお、季節調整系列では10-12月期は前期比▲0.2%(前期:+0.6%)とマイナス成長に転じている(図表4・5)。需要別には家計消費(前期比▲1.5%)、産業別には「飲食・居住サービス」(前期比▲9.1%)の落ち込みが目立つ。新型コロナウイルスの感染再拡大で規制を強化していた時期であることがサービス業を中心に伸び悩んだ要因と見られる。
(図表4)ロシアの実質GDPの動向(需要項目別)/(図表5)ロシアの実質GDPの動向(供給項目別)
年明け以降の状況を概観すると、原油需要に関しては、一部の国でワクチン接種が進み人の移動が増える期待があることに加え、OPECプラスでも5月以降の協調減産縮小に合意しているため、ロシアでの生産量も段階的に増えるだろう。一方、足もとの鉱工業生産指数や小売売上高はコロナ禍前の水準に満たない状況が続いている。インフレ率も6%近くまで加速、中央銀行は利上げに転じており、物価上昇による消費下押しや、金融引き締めにより成長率が伸び悩む状況も懸念される。政治的には欧米との緊張関係が続いており、経済にもその影響が波及する可能性がある。ロシア経済の先行きは、総じて不透明感の高い状況が続くと見られる。
 
2 自家利用の財・サービス。便宜的に第三次産業(その他)に含めた。
 
 

(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
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経済研究部   准主任研究員

高山 武士 (たかやま たけし)

研究・専門分野
欧州経済、世界経済

(2021年04月02日「経済・金融フラッシュ」)

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