2021年02月26日

2020年のマンション市場と今後の動向-コロナ禍で高まる需要、今マンションは買うべきなのか

金融研究部 准主任研究員   渡邊 布味子

新型コロナウイルス 不動産市場・不動産市況 などの記事に関心のあるあなたへ

btn-mag-b.png
基礎研 Report Head Lineではそんなあなたにおすすめのメルマガ配信中!
各種レポート配信をメールでお知らせするので読み逃しを防ぎます!

ご登録はこちら

twitter Facebook このエントリーをはてなブックマークに追加 Pocketで後で読む

文字サイズ

■要旨

マンション価格は高値水準が続いている。マンションを買いたい人は、今買うべきなのだろうか。需要と供給の動向を踏まえて考えてみたい。
 
コロナ禍前のアンケートでは住宅を取得した理由に、ライフステージや、生活・環境の向上を理由にあげた人が多かった。いずれの動機も価格や税制の変化等には左右されにくいものであり、住宅市場では、常にこうした経済的理由以外の需要が一定程度見込めるといえるだろう。最近ではコロナ禍による巣ごもり需要やテレワークの影響などで、生活・環境の向上のため、住み替えを検討し始める人が増加するのではないかと考えられる。
 
一方、コロナ収束後の出社率予想について、5割未満と考える大企業は10%、100%と答えた企業は32%であった。仮に、週の半分以上の出社を求められるとすれば、通勤利便性はある程度重視する必要があるため、コロナ収束後も、都市部の通勤利便性の高い住宅は、引き続き相対的に高い競争力を保つと思われる。
 
コロナ禍により、一旦は大きく落ち込んだマンション販売であるが、新築・中古マンションのいずれについても取引される戸数は2020年秋口ごろから戻してきている。しかし、新築マンションは売行きの好不調ラインの初月契約率70%を下回っている状況であり、当面は価格維持のため、供給量を調整する動きは続くのではないだろうか。また、中古マンションは、居住者の住み替えが必要のため、売却は容易ではない。
 
また、新築マンションについては総額と単価がともに高まる一方で、面積は小さくなっている。さらに、2021年度の住宅ローン減税等では、合計所得金額が1000万円以下であれば、対象物件の規模が緩和される。この制度改正は、小規模の住宅需要の高まりを呼び、面積の縮小を他の条件で補完する動きを広げ、全体的な価格の上昇傾向を促進するのではないだろうか。
 
コロナ禍により実体経済が痛んでいるのは確かであり、一部企業の業績悪化や働く人々の所得にまで影響が及んできている。しかし、潜在的なマンションの購入者層には今回のコロナ禍でも収入にあまり影響のない人も数多く存在すると考えられるため、マンション価格の下落に及ぼす影響はあまり大きくないのではないだろうか。
 
今マンションを買うとしたら、人気のある物件は早い者勝ちとなり、価格も下がりにくい可能性が高い。数年のうちにマンションを買いたい、と考えているのであれば、気に入った物件があれば買ってしまうのも一つの考えであろう。

■目次

1. はじめに
2. 住宅市場と需要者の購入動機
3. コロナ禍の購入動機への影響
4. 現在のマンション供給戸数の動向
5. マンションの面積・単価の動向と、住宅ローン減税制度の変更
6. マンション市場にマイナスの影響を与える要素は
7. 数年以内にマンションが欲しいのであれば買ってもよい
8. 終わりに
twitter Facebook このエントリーをはてなブックマークに追加 Pocketで後で読む

金融研究部   准主任研究員

渡邊 布味子 (わたなべ ふみこ)

研究・専門分野
不動産市場、不動産投資

アクセスランキング

レポート紹介

【2020年のマンション市場と今後の動向-コロナ禍で高まる需要、今マンションは買うべきなのか】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

2020年のマンション市場と今後の動向-コロナ禍で高まる需要、今マンションは買うべきなのかのレポート Topへ