- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 日本経済 >
- 新型コロナによる都道府県別の個人消費減少額を試算-緊急事態宣言の再発令でさらなる落ち込みは不可避
2021年01月15日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
■要旨
- 日本経済は、2020年5月の緊急事態宣言解除後、重い足取りながら持ち直しの動きを続けてきた。しかし、緊急事態宣言の再発令によってこの流れがいったん途切れることは確実となった。
- 内閣府の「県民経済計算」と「地域別消費総合指数」を用いて、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う都道府県別の個人消費の減少額を試算すると、2020年2月から12月までの累計で、全国で▲19.3兆円、このうち緊急事態宣言の発令(2020年4、5月)の影響が▲3.6兆円となった。
- 都道府県別には、東京都が▲4.1兆円と最も大きく、年間の個人消費に対する割合も▲11.7%と全国で最も高くなった。緊急事態宣言の期間が最も長かったことに加え、飲食店の営業時間短縮、東京アラートの発動など、独自の自粛要請を多く行ったことが影響しているとみられる。
- 現在の緊急事態宣言の内容をもとにすれば、2021年1-3月期の個人消費の追加的な減少額は▲1.1兆円、実質GDPへの影響は前期比▲0.8%と試算される。緊急事態宣言の対象地域が全国に拡大され、期間が1ヵ月から2ヵ月に延長された場合、個人消費の減少額は▲1.9兆円まで膨らみ、実質GDPは前期比▲1.4%押し下げられる。2021年1-3月期の大幅マイナス成長は不可避と考えられる。
(2021年01月15日「Weekly エコノミスト・レター」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1836
経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
斎藤 太郎のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/04/30 | 2025年1-3月期の実質GDP~前期比▲0.2%(年率▲0.9%)を予測~ | 斎藤 太郎 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/04/30 | 鉱工業生産25年3月-1-3月期は4四半期ぶりの減産、トランプ関税の影響で4月以降も低迷が続く見込み | 斎藤 太郎 | 経済・金融フラッシュ |
2025/04/18 | 消費者物価(全国25年3月)-コアCPI上昇率は25年度入り後も3%台が続く公算 | 斎藤 太郎 | 経済・金融フラッシュ |
2025/04/17 | 貿易統計25年3月-1-3月期の外需寄与度は前期比▲0.6%程度のマイナス、4月以降の輸出の落ち込みは不可避 | 斎藤 太郎 | 経済・金融フラッシュ |
新着記事
-
2025年05月01日
日本を米国車が走りまわる日-掃除機は「でかくてがさつ」から脱却- -
2025年05月01日
米個人所得・消費支出(25年3月)-個人消費(前月比)が上振れする一方、PCE価格指数(前月比)は総合、コアともに横這い -
2025年05月01日
米GDP(25年1-3月期)-前期比年率▲0.3%と22年1-3月期以来のマイナス、市場予想も下回る -
2025年05月01日
ユーロ圏GDP(2025年1-3月期)-前期比0.4%に加速 -
2025年04月30日
2025年1-3月期の実質GDP~前期比▲0.2%(年率▲0.9%)を予測~
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
【新型コロナによる都道府県別の個人消費減少額を試算-緊急事態宣言の再発令でさらなる落ち込みは不可避】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
新型コロナによる都道府県別の個人消費減少額を試算-緊急事態宣言の再発令でさらなる落ち込みは不可避のレポート Topへ