- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 金融・為替 >
- 金融政策 >
- 中央銀行デジタル通貨の行方-2020年の振り返りと今後の見通し
中央銀行デジタル通貨の行方-2020年の振り返りと今後の見通し

総合政策研究部 准主任研究員 鈴木 智也
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
世界で中央銀行デジタル通貨(以下、CBDC)の研究開発が加速している。2020年は、世界第2位の経済大国である中国が、デジタル人民元のパイロット試験を開始しただけでなく、小規模な新興国であるバハマやカンボジアが、世界で初めてCBDCを正式展開する「節目の年」となった。その動きを受けて、政府が積極的な検討を始めるなど、日本国内でもCBDCに対する関心は、急速に高まって来ている。
日本では、今年2月以降、複数の自民党会議体から、政府・日銀に対してCBDCの検討を促す提言が行われ、7月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2020」(骨太方針)には、初めてCBDCの検討方針が盛り込まれた。主に、予算に関わる財政経済政策の基本方針を表す骨太方針は、その時々の政権が重視する日本の課題を映し出した鏡でもあり、今回の決定はCBDCを、国家的な検討課題に位置付けたことを意味している。その後、10月には日本銀行も実証実験を2021年度の早い時期に開始することを明らかにしており、一歩踏み込んだ検討を始めている。
本稿では、CBDCの概要を把握したうえで、2020年の国内外の動向を振り返り、来年以降の展望について考察する。
■目次
1――はじめに
2――中央銀行デジタル通貨とは
1|CBDCの概要
2|導入形態の選択
3|民間デジタル通貨との違い
4|各国が研究開発を進める背景
5|設計上の主な課題
3――世界各国の研究開発動向
1|契機となった3つの出来事
2|2019年時点の研究開発状況
3|2020年の最新動向
4――今後の展望
1|2021年、日本銀行も実証実験を開始
2|デジタル円の発行でカギを握る、政治動向
3|相互に作用し合う、官民のデジタル通貨開発
5――おわりに
(2020年12月25日「基礎研レポート」)

03-3512-1790
- 【職歴】
2011年 日本生命保険相互会社入社
2017年 日本経済研究センター派遣
2018年 ニッセイ基礎研究所へ
2021年より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会検定会員
鈴木 智也のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/04/10 | 日米交渉、為替条項はどうなる?-トランプ1.0の宿題 | 鈴木 智也 | 研究員の眼 |
2025/04/08 | トランプ政権の時間軸-世界や米国の有権者はいつまで我慢できるのか | 鈴木 智也 | 研究員の眼 |
2025/01/09 | 揺れ動いた原子力政策-国民意識から薄れていた「E」の復活 | 鈴木 智也 | 基礎研マンスリー |
2024/12/17 | 第2次トランプ政権との対峙-為替で見方が変わる交渉材料 | 鈴木 智也 | 研究員の眼 |
新着記事
-
2025年05月01日
日本を米国車が走りまわる日-掃除機は「でかくてがさつ」から脱却- -
2025年05月01日
米個人所得・消費支出(25年3月)-個人消費(前月比)が上振れする一方、PCE価格指数(前月比)は総合、コアともに横這い -
2025年05月01日
米GDP(25年1-3月期)-前期比年率▲0.3%と22年1-3月期以来のマイナス、市場予想も下回る -
2025年05月01日
ユーロ圏GDP(2025年1-3月期)-前期比0.4%に加速 -
2025年04月30日
2025年1-3月期の実質GDP~前期比▲0.2%(年率▲0.9%)を予測~
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
【中央銀行デジタル通貨の行方-2020年の振り返りと今後の見通し】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
中央銀行デジタル通貨の行方-2020年の振り返りと今後の見通しのレポート Topへ