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中国経済:景気指標の総点検(2020年冬季号)~景気インデックスは7%まで回復

三尾 幸吉郎
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- 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が中国武漢で広まって1年が経過した。コロナ禍で混乱した1-3月期には実質で前年比6.8%減と大きく落ち込んだものの、経済活動を再開した4-6月期には同3.2%増まで回復し、7-9月期には同4.9%増と2四半期連続で持ち直し、内需振興策を矢継ぎ早に打ち出した10-12月期の成長率はさらに加速しそうだ。一方、消費者物価はコロナ禍による需要減を背景にコア部分で前年比+0.5%と低位安定している。
- 景気10指標を見ると(下表)、需要面では投資の代表指標である固定資産投資に陰りが見られるものの、消費の代表指標である小売売上高はゆっくりとだが着実に回復しており、輸出はむしろ加速している。他方、供給面では鉱工業生産の勢いが落ちてきたものの、製造業PMIが5ヵ月連続で“○”、非製造業PMIも7ヵ月連続で“○”と回復基調そのものに変化はない。その他の指標では、電力消費量と道路貨物輸送量が回復基調にある一方、通貨供給量(M2)には変化の兆しがあり、工業生産者出荷価格にはピークアウトの兆しがある。
- 景気インデックス(工業生産、サービス業生産、建築業PMIを合成加工して毎月の実質成長率を推計したもの)の推移をみると、コロナ禍で混乱した20年1月に前年比8.2%減、2月に同9.7%減に落ち込んだあと、4月には同0.6%増と前年同月の水準を上回り、その後もプラス幅を徐々に拡大してきている。そして、1月18日前後に公表される10-12月期の実質成長率を考えると、既に判明した10月が前年比6.7%増、11月が同7.0%増で、10-11月累計では同6.85%増となっているので、前四半期(同4.9%増)を上回るのはほぼ確実である。
(2020年12月25日「Weekly エコノミスト・レター」)
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