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- 鉱工業生産20年9月-7-9月期の増産幅は4-6月期の落ち込みの4割強にとどまる
2020年10月30日
1.7-9月期は2四半期ぶりの増産
経済産業省が10月30日に公表した鉱工業指数によると、20年9月の鉱工業生産指数は前月比4.0%(8月:同1.0%)と4ヵ月連続で上昇し、事前の市場予想(QUICK集計:前月比3.1%、当社予想は同3.0%)を上回る結果となった。出荷指数は前月比3.8%と4ヵ月連続の上昇、在庫指数は前月比▲0.3%と6ヵ月連続の低下となった。
鉱工業生産は6~9月の4ヵ月で16.4%の高い伸びとなり、2~5月の落ち込み(累計で▲21.1%)の6割強を取り戻したが、コロナ前の1月と比べると▲10%近く低い水準にとどまっている。
9月の生産を業種別にみると、国内外の自動車販売の底入れや生産体制の正常化を背景に、自動車が前月比10.9%の高い伸びとなったほか、自動車産業との関連が深い鉄鋼(前月比4.8%)、非鉄金属(同7.5%)も高い伸びとなった。また、半導体製造装置の輸出回復を受けて、低迷が続いていた生産用機械も前月比11.1%と急回復した。
20年7-9月期の生産は前期比8.8%(4-6月期:同▲16.9%)と2四半期ぶりの増産となったが、4-6月期の落ち込みの4割強を取り戻したにすぎない。業種別には、4-6月期に前期比▲45.1%の急減となった自動車が同62.6%と急回復したが、7-9月期の水準は1-3月期よりも▲10%以上低い。一方、世界的な設備投資の低迷を反映し、生産用機械は4-6月期の前期比▲9.4%に続き7-9月期も同▲5.7%の減産となった。
鉱工業生産は6~9月の4ヵ月で16.4%の高い伸びとなり、2~5月の落ち込み(累計で▲21.1%)の6割強を取り戻したが、コロナ前の1月と比べると▲10%近く低い水準にとどまっている。
9月の生産を業種別にみると、国内外の自動車販売の底入れや生産体制の正常化を背景に、自動車が前月比10.9%の高い伸びとなったほか、自動車産業との関連が深い鉄鋼(前月比4.8%)、非鉄金属(同7.5%)も高い伸びとなった。また、半導体製造装置の輸出回復を受けて、低迷が続いていた生産用機械も前月比11.1%と急回復した。
20年7-9月期の生産は前期比8.8%(4-6月期:同▲16.9%)と2四半期ぶりの増産となったが、4-6月期の落ち込みの4割強を取り戻したにすぎない。業種別には、4-6月期に前期比▲45.1%の急減となった自動車が同62.6%と急回復したが、7-9月期の水準は1-3月期よりも▲10%以上低い。一方、世界的な設備投資の低迷を反映し、生産用機械は4-6月期の前期比▲9.4%に続き7-9月期も同▲5.7%の減産となった。
財別の出荷動向を見ると、設備投資のうち機械投資の一致指標である資本財出荷指数(除く輸送機械)は20年4-6月期の前期比▲8.4%の後、7-9月は同▲4.6%と4四半期連続で低下した。また、建設投資の一致指標である建設財出荷指数は20年4-6月期の前期比▲7.0%の後、7-9月期は同▲0.1%と4四半期連続で低下した。
GDP統計の設備投資は20年4-6月期に前期比▲4.7%と2四半期ぶりに減少した。景気はすでに底打ちしているが、企業収益の悪化や景気の先行き不透明感の高まりを背景に設備投資は7-9月期も減少する可能性が高い。
GDP統計の設備投資は20年4-6月期に前期比▲4.7%と2四半期ぶりに減少した。景気はすでに底打ちしているが、企業収益の悪化や景気の先行き不透明感の高まりを背景に設備投資は7-9月期も減少する可能性が高い。
消費財出荷指数は20年4-6月期の前期比▲15.4%の後、7-9月期は前期比13.8%の高い伸びとなった。4-6月期に前期比▲37.8%と急速に落ち込んだ自動車などの耐久財が前期比47.5%と急回復した。非耐久消費財は前期比1.6%(4-6月期:同▲3.3%)となった。
消費関連指標は、緊急事態宣言解除後の6月にペントアップ需要の顕在化や特別定額給付金の効果から急回復した後、7月以降は新型コロナウイルス陽性者数増加の影響もあってサービスを中心に持ち直しのペースは鈍っているが、7-9月期の平均では、極めて低い水準となった4-6月期を大きく上回った。GDP統計の民間消費は、20年4-6月期の前期比▲7.9%の後、7-9月期ははっきりとした増加に転じることが予想される。
消費関連指標は、緊急事態宣言解除後の6月にペントアップ需要の顕在化や特別定額給付金の効果から急回復した後、7月以降は新型コロナウイルス陽性者数増加の影響もあってサービスを中心に持ち直しのペースは鈍っているが、7-9月期の平均では、極めて低い水準となった4-6月期を大きく上回った。GDP統計の民間消費は、20年4-6月期の前期比▲7.9%の後、7-9月期ははっきりとした増加に転じることが予想される。
2.10-12月期は増産ペースが鈍化する見込み
20年9月の生産指数を10、11月の予測指数で先延ばしすると、20年10、11月の平均は7-9月期を8.2%上回る。10-12月期は2四半期連続の増産となる可能性が高いが、生産実績が計画を下回る傾向があることを考慮すれば、経済活動の再開を受けて急回復した7-9月期から伸びは大きく低下するだろう。
世界的に新型コロナウイルス感染症の収束が見えない中で、国内外ともに経済活動の水準が元に戻るまでには時間を要する公算が大きい。先行きについても、生産の回復ペースは急激な落ち込みの後としては緩やかなものにとどまるだろう。現時点では、10-12月期の鉱工業生産は前期比4%程度の伸びを予想している。
世界的に新型コロナウイルス感染症の収束が見えない中で、国内外ともに経済活動の水準が元に戻るまでには時間を要する公算が大きい。先行きについても、生産の回復ペースは急激な落ち込みの後としては緩やかなものにとどまるだろう。現時点では、10-12月期の鉱工業生産は前期比4%程度の伸びを予想している。
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(2020年10月30日「経済・金融フラッシュ」)
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経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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