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- ユーロ圏消費者物価(9月)-8月からマイナス幅拡大
2020年10月05日
1.結果の概要:前年同期比でマイナス幅が拡大
10月2日、欧州委員会統計局(Eurostat)はユーロ圏のHICP(Harmonized Indices of Consumer Prices:EU基準の消費者物価指数)速報値を公表し、結果は以下の通りとなった。
【総合指数】
・前年同月比は▲0.3%、市場予想1(▲0.2%)より下振れ、前月(▲0.2%)から減速(図表1)
・前月比は+0.1%、予想(+0.1%)と同じ、前月(同▲0.4%)より加速
【総合指数からエネルギーと飲食料を除いた指数2】
・前年同月比は+0.2%、予想(+0.4%)より下振れ、前月(同+0.4%)から減速(図表2)
・前月比は+0.2%、前月(▲0.6%)から加速<
1 bloomberg集計の中央値。以下の予想値も同様。
2 日本の消費者物価指数のコアコアCPI、米国の消費者物価指数のコアCPIに相当するもの。ただし、ユーロ圏の指数はアルコール飲料も除いており、日本のコアコアCPIや米国のコアCPIとは若干定義が異なる。
2.結果の詳細:コア指数の弱さが目立つ
まず、9月のHICPの品目別成長率を「コア部分(=エネルギーと飲食料を除く総合)」「エネルギー」「食料品(アルコール含む)」の3分類に分けて見る。
コア部分の「エネルギーと飲食料を除く総合」は2か月連続で前年同月比0%前半での推移となった(8月+0.4%→9月+0.2%)。内訳としては「エネルギーを除く財3」が2か月連続のマイナスとなり(8月▲0.1%→9月▲0.3%)、やや高めの物価上昇率を記録していた「サービス」も3か月連続で1%を割って推移している(8月+0.7%→9月+0.5%)(図表2)。細かい品目が公表される8月までの動向をみると、コロナ禍の影響を大きく受ける「外食・宿泊」での減速が目立つほか、足もとでは「娯楽」のインフレ率も低下している。
前月比では、コア部分でプラスに転じている(8月▲0.6%→9月+0.2%)。「エネルギーを除く財」が+2.8%(前月▲1.6%)、「サービス」が▲1.2%(前月+0.0%)となり、財とサービスで方向感が異なるが、財価格の押し上げは値引きシーズンが終了したことが一因と見られ、総じてインフレ率圧力は弱い状況が続いている。
コア部分の「エネルギーと飲食料を除く総合」は2か月連続で前年同月比0%前半での推移となった(8月+0.4%→9月+0.2%)。内訳としては「エネルギーを除く財3」が2か月連続のマイナスとなり(8月▲0.1%→9月▲0.3%)、やや高めの物価上昇率を記録していた「サービス」も3か月連続で1%を割って推移している(8月+0.7%→9月+0.5%)(図表2)。細かい品目が公表される8月までの動向をみると、コロナ禍の影響を大きく受ける「外食・宿泊」での減速が目立つほか、足もとでは「娯楽」のインフレ率も低下している。
前月比では、コア部分でプラスに転じている(8月▲0.6%→9月+0.2%)。「エネルギーを除く財」が+2.8%(前月▲1.6%)、「サービス」が▲1.2%(前月+0.0%)となり、財とサービスで方向感が異なるが、財価格の押し上げは値引きシーズンが終了したことが一因と見られ、総じてインフレ率圧力は弱い状況が続いている。
国別のHICP上昇率を見ると(図表4・5)、9月は前年同月比で未公表のオーストリアを除く18か国中11か国が減速し、また11か国がマイナス圏という状況にある。経済大国であるドイツがVAT引き下げ効果などから▲0.4%まで低下している4ことに加えて、イタリアも▲0.9%にマイナス幅を拡大、フランスはかろうじてプラス圏にあるものの+0.0%とインフレ圧力は弱い。
ユーロ圏では財・サービスを問わず物価上昇圧力が減っており、「コア部分」の上昇率がかなり弱い。為替もユーロ高傾向が続いているため、エネルギー価格を中心にデフレ圧力が強まる可能性もあり、総合指数では引き続きゼロ%前後での推移が続くだろう。
3 飲食料も除く。
4 7月から税率で19%→16%(軽減税率は7%→5%)への引き下げを12月まで実施する予定。
ユーロ圏では財・サービスを問わず物価上昇圧力が減っており、「コア部分」の上昇率がかなり弱い。為替もユーロ高傾向が続いているため、エネルギー価格を中心にデフレ圧力が強まる可能性もあり、総合指数では引き続きゼロ%前後での推移が続くだろう。
3 飲食料も除く。
4 7月から税率で19%→16%(軽減税率は7%→5%)への引き下げを12月まで実施する予定。
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(2020年10月05日「経済・金融フラッシュ」)
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経歴
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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