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コロナショックはマンション価格を下げるのか-新築・中古マンションの価格推移から考える
基礎研REPORT(冊子版)7月号[vol.280]

金融研究部 准主任研究員 渡邊 布味子
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その理由には、新築マンションの価格は簡単に下げることができないことがある。土地の仕入れ費用、建物の建設費、人件費などの費用は建物完成までに先行して投資する必要があり、計画の最終段階である販売により初めて費用が回収され、利益が計上されるからである。
また、現在の新築マンションの売り主は大手不動産会社が中心で、良好な資金調達環境にあることから、リーマン・ショック後のような投売りが起こりにくい。
しかしながら、コロナショックとは関係なく、2019年以降、発売戸数は明らかに減速している。月別前年比で発売戸数が前年よりプラスとなった月は、2019年以降は8月(+21.1%)の1か月のみ、2020年1月は▲34.5%,2月は▲35.7%の大幅減となっていた[図表3]。これにコロナショックの影響が加われば、2020年もさらに発売戸数が落ち込むことが予想される。
しかし、マンションの売れ行きの落ち込みが続けば、売り主はキャッシュバックや割引を検討せざるをえないだろう。
また、近年は取得競争により高値となった土地への投資費用を反映してマンション価格が高騰してきた側面があるが、マンションの売り主が土地を割安に取得できる環境になれば、2、3年後に竣工する新築マンションは今よりお買い得になっているかもしれない。
これからマンションの購入を考える人にとっては、より良い環境になってくるのではないだろうか。
(2020年07月07日「基礎研マンスリー」)
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03-3512-1853
- 【職歴】
2000年 東海銀行(現三菱UFJ銀行)入行
2006年 総合不動産会社に入社
2018年5月より現職
・不動産鑑定士
・宅地建物取引士
・不動産証券化協会認定マスター
・日本証券アナリスト協会検定会員
・2022年、2023年 兵庫県都市計画審議会専門委員
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