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- 鉱工業生産20年5月-自動車の生産水準は直近ピーク時の4割まで低下
2020年06月30日
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1.5月の生産は市場予想を大きく下回る
財別の出荷動向を見ると、設備投資のうち機械投資の一致指標である資本財出荷指数(除く輸送機械)は20年1-3月期の前期比▲0.4%の後、4月が前月比1.4%、5月が同▲9.0%となった。また、建設投資の一致指標である建設財出荷指数は20年1-3月期の前期比▲1.8%の後、4月が前月比▲1.9%、5月が同▲5.6%となった。20年4、5月の平均を1-3月期と比較すると、資本財(除く輸送機械)は▲8.9%、建設財は▲7.1%低い水準となっている。

消費財出荷指数は20年1-3月期の前期比0.0%の後、4月が前月比▲11.8%、5月が同▲3.6%となった。
5月の消費関連指標を確認すると、4月に発令された緊急事態宣言が5月下旬まで延長されたことから、4月に続き大幅な減少となったが、4月の急激な落ち込みからは若干持ち直すものが多かった。6月に入り、段階的な自粛・休業要請の解除が行われたことから、持ち直しの動きはより明確となるものの、旅行、娯楽などのサービス支出が引き続き低迷することから、消費全体の回復ペースは緩やかにとどまる可能性が高い。
GDP統計の民間消費は、20年1-3月期の前期比▲0.8%の後、4-6月期は減少幅が急拡大することが予想される。
2.4-6月期はリーマン・ショック以来の減産幅に
製造工業生産予測指数は、20年6月が前月比5.7%、7月が同9.2%となった。生産計画の修正状況を示す実現率(5月)、予測修正率(6月)はそれぞれ▲7.3%、▲5.6%であった。前月に比べれば縮小したが、実現率、予測修正率ともに引き続き大幅なマイナスとなった。
予測指数を業種別にみると、4月が前月比▲34.8%、5月が同▲19.4%の大幅減産となった輸送機械は6月が同26.0%、7月が同34.5%の大幅増産計画となっている。ただし、この計画が実現したとしても、2月以降の落ち込み(▲52.2%)の6割程度を取り戻すにすぎない。6月以降、最悪期は脱するものの、フル稼働にはほど遠い状況が継続するだろう。
予測指数を業種別にみると、4月が前月比▲34.8%、5月が同▲19.4%の大幅減産となった輸送機械は6月が同26.0%、7月が同34.5%の大幅増産計画となっている。ただし、この計画が実現したとしても、2月以降の落ち込み(▲52.2%)の6割程度を取り戻すにすぎない。6月以降、最悪期は脱するものの、フル稼働にはほど遠い状況が継続するだろう。
20年5月の生産指数を6月の予測指数で先延ばしすると、20年4-6月期は前期比▲15.6%の大幅減産となる。実績が生産計画を下回る傾向があることを考慮すれば、4-6月期のマイナス幅はこれを上回り、リーマン・ショック(09年1-3月期の前期比▲20.5%)以来の大幅減産となる可能性が高い。
6月以降、国内の経済活動の再開や輸出の持ち直しに伴い鉱工業生産は上向くことが見込まれるが、米国で新型コロナウィルスの感染が再拡大するなど、輸出を取り巻く環境については不確実性が高い。現時点では、7-9月期の生産は4-6月期が極めて低い水準にとどまることもあり、高めの伸びになるものの、4-6月期の落ち込みを取り戻すまでには至らないと予想している。海外の経済活動の再停止などにより輸出の回復が遅れれば、底這い状態が続く恐れもあるだろう。
6月以降、国内の経済活動の再開や輸出の持ち直しに伴い鉱工業生産は上向くことが見込まれるが、米国で新型コロナウィルスの感染が再拡大するなど、輸出を取り巻く環境については不確実性が高い。現時点では、7-9月期の生産は4-6月期が極めて低い水準にとどまることもあり、高めの伸びになるものの、4-6月期の落ち込みを取り戻すまでには至らないと予想している。海外の経済活動の再停止などにより輸出の回復が遅れれば、底這い状態が続く恐れもあるだろう。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2020年06月30日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1836
経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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