2020年02月20日

天気予報にでてくる単位(1)ーまずは雨量

保険研究部 主任研究員・年金総合リサーチセンター兼任   安井 義浩

このレポートの関連カテゴリ

保険計理 研究員の眼 などの記事に関心のあるあなたへ

btn-mag-b.png
基礎研 Report Head Lineではそんなあなたにおすすめのメルマガ配信中!
各種レポート配信をメールでお知らせするので読み逃しを防ぎます!

ご登録はこちら

twitter Facebook このエントリーをはてなブックマークに追加 Pocketで後で読む

文字サイズ

これまで何種類かの単位について調べてきたが、ここで少し視点を変えて、天気予報や気象関係に出てくるもの、という括りで単位をみてみよう。
 
(雨量)

「500ミリの雨が降った」といったときの、「ミリ」とは?なにせ水の量の話をしているのだから、ペットボトルの飲み物と同じく「ミリリットル」か?そうではなく「ミリメートル」である。一定の時間(1日、1月、1年など)にしみこまずにたまった雨水の「高さ」のことを言っている。ならば、小さなコップに受けたときと、広いバスタブに受けるのか決めておかないと、意味がないのではないか、と筆者はずっと誤解していたが、皆様はそんなことはないだろうか(ならば大丈夫だ)。ある範囲に一様に降ると仮定すれば、変な形でなければ、容器は何を使っても同じだから問題ない。俗に言う雨量は、より正確には降水量であり、雪やひょうも含む。ただし「積雪量」といったら、それは雪の深さを測ったもので、溶けた水に換算したものではない。
 
さて雨量の単位の話だけならこれだけで終わりなのだが、ついでにその程度によって、様子がどうちがってくるか見てみよう。

「明日はゴルフだ。さて天気は?」と、天気予報をみると「1ミリの雨」とでている。これは「1時間に1ミリ」の雨という意味である。1分でも1日でもない。1時間あたり、が省略されている*1

そしてこの1ミリの雨とは、どんな感じの雨になるだろうか。これは感じ方も問題だから決まりはないが、適当にネット上の記事を探ってみた印象では、「傘をささなくても我慢できる程度」だとされる。しかしそもそも、日本(気象庁)のミリは切り捨て表示だそうなので、1ミリといったら1~1.9ミリである。そして2ミリの雨といったら、明らかに傘が必要と感じるくらいだそうだ。ということは。1ミリと表示された雨の程度には幅があって、傘をさすかどうかは人によって相当ばらつきがでるだろう。

また、イベントへの影響を考えると、ゴルフなら中止しなくていいようにも思うが、野球、サッカー、あるいは天候が変わりやすいとされる山あいの川釣りとかならどうする?あるいは運動会、花火大会のように多くの人に影響するイベントならどうする?これらは主催団体、観客の有無などそれぞれの事情ということで、主催者など関係者は悩みそうなところではある。
 
さて、レジャーはどうでもよい*2ので、もっと激しい雨についてみてみる。10ミリ以上の雨については、気象庁から雨の強さと降り方の目安が示されていて、以下の通りである。
 
雨の強さと降り方の目安
例えば10ミリの雨というのは、実際にはしみ込んだり流れていくので、その場ではたいしたことないという印象であろうが、何時間か続いて仮に累積100ミリ=10センチの深さにもなる水が、近くの川や用水路にすべて集まれば、洪水等の危険もでてくる。

このように、災害につながるような大雨の場合、上記のような1時間雨量よりも、1日雨量、24時間雨量(前日からのどこか24時間取ったときの最大の雨量)を耳にすることが多い。「降り始めからの総雨量が1000ミリを超えた」など。しかしこれだけの数値をもとに、自分で危険度を判断するのは難しいだろう。大雨によって災害が起こるおそれのある時は、大雨注意報や洪水注意報が、重大な災害がおこるおそれのある時は大雨警報や洪水警報が、またさらに重大な災害が起こるおそれが著しく大きいときは大雨特別警報が発表されることになっている。

また数年に一度しか発生しないような短時間の大雨を観測・解析したときは記録的短時間大雨情報が発表される。

ということで、当初は天気予報にでてくる単位を、雨量も気温も気圧もまとめて一回で終えようとしたのだが、雨量の話(のうち、もちろんほんの一部)だけでも所定の紙面がつきた。気温と気圧はまたの機会に続けることにする。
 
 
*1ちなみに、ゴルフ場やゴルフ場予約サイトの天気予報は、気象庁の予報より、晴れるほうにずれていることが多いと思う。気のせいかもしれない。
*2いやいや、前述のように商売・イベントを開催するか中止するかの決断は、実際には深刻な問題であろう。天候によるイベントの中止の損失に備える天候保険や、気温・降水量・日照時間などによって業績が左右されることに備える天候デリバティブなどが、保険会社で扱われるほどだ。
*3気象庁ホームページ https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/amehyo.html
twitter Facebook このエントリーをはてなブックマークに追加 Pocketで後で読む

このレポートの関連カテゴリ

保険研究部   主任研究員・年金総合リサーチセンター兼任

安井 義浩 (やすい よしひろ)

研究・専門分野
保険会計・計理、共済計理人・コンサルティング業務

アクセスランキング

レポート紹介

【天気予報にでてくる単位(1)ーまずは雨量】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

天気予報にでてくる単位(1)ーまずは雨量のレポート Topへ