2019年12月18日

【11月米住宅着工、許可件数】着工件数は136.5万件と前月(132.3万件)、市場予想(134.5万件)を上回り、19年8月に次ぐ水準

経済研究部 主任研究員 窪谷 浩

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1.結果の概要:着工件数、許可件数ともに前月、市場予想を上回る

12月17日、米国センサス局は11月の住宅着工、許可件数を発表した。住宅着工件数(季節調整済、年率)は136.5万件(前月改定値:132.3万件)と131.4万件から上方修正された前月値を上回ったほか、市場予想の134.5万件(Bloomberg集計の中央値)も上回った(図表1、図表3)。11月の着工件数は、07年以来の高さとなった19年8月(137.5万件)に次ぐ水準である。

住宅着工許可件数(季節調整済、年率)は148.2万件(前月:146.1万件)と、前月、市場予想の141.0万件を大幅に上回り、07年5月(149.3万件)以来の水準となった(図表2、図表5)。
(図表1)住宅着工件数/(図表2)住宅着工許可件数

2.結果の評価:戸建てを中心に、住宅市場の回復が加速

住宅着工件数の伸びは、前月比+3.2%(前月:+4.5%)と前月から2ヵ月連続のプラスとなった(図表3)。内訳をみると、戸建てが+2.4%(前月:+1.6%)と6ヵ月連続のプラスとなったほか、集合住宅も+4.9%(前月:+11.8%)と2ヵ月連続のプラスとなった(図表4)。

前年同月比では+13.6%(前月:+9.2%)と6ヵ月連続のプラスとなった。戸建てが+16.7%(前月:+5.9%)と6ヵ月連続でプラスとなったほか、前月から伸びが大幅に加速した。集合住宅は+7.3%(前月:+17.6%)とこちらは8ヵ月連続のプラスとなった。

地域別寄与度(前月比)は、北東部が▲0.3%ポイント(前月:▲0.5%ポイント)と3ヵ月連続でマイナスとなったほか、中西部が▲2.2%ポイント(前月:+2.3%ポイント)と前月からマイナスに転じた。一方、南部が+5.3%ポイント(前月:▲0.4%ポイント)と前月からプラスに転じたほか、西部が+0.4%ポイント(前月:+3.1%ポイント)と3ヵ月連続でプラスとなった。
(図表3)住宅着工件数(伸び率)/(図表4)住宅着工件数前月比(寄与度)
一方、先行指標である住宅着工許可件数は、前月比+1.4%(前月:+5.0%)と2ヵ月連続のプラスとなった(図表5)。戸建てが+0.8%(前月:+3.4%)と7ヵ月連続でプラスを維持したほか、集合住宅が+2.5%(前月:+7.8%)とこちらは2ヵ月連続のプラスとなった(図表6)。

前年同月比は+11.1%(前月:+14.1%)と5ヵ月連続のプラスとなった。戸建てが+8.9%(前月:+7.7%)と4ヵ月連続のプラスとなったほか、集合住宅も+14.9%(前月:+26.4%)とこちらも5ヵ月連続のプラスとなった。
(図表5)住宅着工許可件数(伸び率)/(図表6)住宅着工許可件数前月比(寄与度)
(図表7)住宅市場指数(項目別) 一方、全米建設業協会(NAHB)による戸建て新築住宅販売のセンチメントを示す住宅市場指数は、12月が76(前月:71)と前月から+5ポイント上昇し、99年6月(77)以来およそ20年ぶりの高水準となった(図表7)。

指数の中身をみると、販売現況が84(前月:77)と前月から+7ポイント上昇したほか、販売見込みは77(前月:76)、客足も58(前月:54)といずれも前月から上昇した。

着工件数で戸建ての伸びが堅調となったことと併せて、足元で戸建てを中心に住宅市場の回復は加速しているとみられる。
 
 

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経済研究部   主任研究員

窪谷 浩 (くぼたに ひろし)

研究・専門分野
米国経済

経歴
  • 【職歴】
     1991年 日本生命保険相互会社入社
     1999年 NLI International Inc.(米国)
     2004年 ニッセイアセットマネジメント株式会社
     2008年 公益財団法人 国際金融情報センター
     2014年10月より現職

    【加入団体等】
     ・日本証券アナリスト協会 検定会員

(2019年12月18日「経済・金融フラッシュ」)

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