コラム
2019年12月02日

2017年婚姻届における初婚男女の年齢組み合わせランキング(1)-なぜ結婚希望が叶わないのか-令和時代の男女年齢ゾーン別組み合わせ発生状況

生活研究部 人口動態シニアリサーチャー   天野 馨南子

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はじめに

団塊ジュニアである筆者が生まれた手前頃である1970年の国の統計では、1年間の婚姻数が103万件であった。それに対し、公開されている最新の2017年の統計では61万件に減少し、半世紀も経過せずに59%にまで件数が減少している。

昭和の終わりから平成期の日本は、まさに「婚姻数大暴落」の時代であった、ということができるだろう。
【図表1】成婚総数と初婚同士の成婚数の推移(件)
ただ単に件数(量)が減少しただけではなく、その内容(質)も大きく変化した。

1970年には初婚同士の結婚が89%を占め、再婚者を含む結婚(再婚者同士+どちらかが再婚)は10組に1組程度であった。それが2017年には初婚同士の結婚が全体の73%へと減少し、再婚者を含む結婚が27%、4組に1組を超え、3割近くまで上昇してきている。
 
その他にも、初婚同士の結婚において、男性年上婚の割合が全体の55%まで減少する一方、女性年上婚が4組に1組まで増加し、夫婦同年齢婚を件数で上回るなど、質的変化を挙げればきりがない。
 
今回はそのような大きな結婚の「質の変化」にともない、結婚を希望して活動する男女の意識と結婚の現実との間に最も歪(ひずみ)が表れていると考えられる「夫婦の年齢の組み合わせ」について特集してみたい。

36万件の真実-初婚同士の結婚は、20代後半同士男女の組み合わせが圧倒的

本稿では初婚を目指して活動する男女(ならびにその親族、支援者)が特にデータ活用することを目的として、初婚男女の結婚についてのデータを取り扱う。

婚姻届を提出するといっても、様々なケースがある。そのため、国の統計で把握可能な「2017年に婚姻届を役所に提出」かつ「同じ2017年以内に結婚生活を開始」した、35万8773件の初婚男女について、夫婦の成婚時の年齢の組み合わせを見ていくこととしたい。
【図表2】2017 年成婚男女の年齢組み合わせランキング/初婚同士・10 位まで(件)
まず、最も多かった組み合わせは「20代後半男女同士」の結婚であり、全体の約3割を占める圧倒的な割合となった。

2位の「30代前半同士」と、3位の「20代後半女性と30代前半男性」の組み合わせはほぼ同率の1割であるが、この2位、3位の件数を圧倒する件数(2位の2.4倍、2位3位の件数合計を上回る)となっている(図表2)。
 
このことから、晩婚化とは言うものの、
 
(1) 日本におけるもっとも成立しやすい初婚カップル(以下、カップルと略)は、男女ともに「20代後半」である
 
と断じることが出来る。

さらに、上位5位までの組み合わせで、すでに全体の成婚の上位65%を占めており、そのうち、20代が占める割合は女性83%、男性67%であるため、男女差はあるものの、男女ともに20代の成婚が30代の成婚を大きく上回ることが見て取れる。つまり、
 
(2) 平均初婚年齢のイメージからアラサー結婚を考える男女が少なくないが、アラサーといっても30代前半よりは20代後半の結婚が「男女とも」大きく上回る
 
ということを注意したいところである。

さらに上位10位までの組み合わせでみると、全体の83%の成婚を含むことになるが、その中に男女とも40代の成婚は含まれていない(図表2)。

つまり、40代からの結婚は男女とも発生しやすい組み合わせで見て上位83%に入ってきていない。このことから、
 
(3) 40代で初婚を目指す活動は、「男女とも」発生確率的に見て上位83%に入らないため、そう簡単ではない
 
ということが指摘できる。

筆者は、全国の様々な自治体の結婚支援センターや民間の結婚相談所、結婚応援を行なうNPOなどの相談を受ける機会があるが、特にこの(3)については、女性よりも男性において圧倒的に理解が進んでいないことが問題となっている。

36万件の真実-50代の初婚結婚は至難の業

民間の結婚相談所においても、非営利の団体においても、男性登録者の登録年齢が女性登録者よりかなり高くなる(登録が遅れる)ことが現場では問題視されている。

なぜ「問題視」されるのか、データで確認したい。
 
年間成婚数における発生確率マップとも言える上記の初婚男女年齢の組み合わせランキングであるが、初婚の50代の男性が初登場するのは組み合わせの多い順にみて32番目以降となる(図表3)。

最も多い40代前半女性との組み合わせで見ても発生確率は全体の0.1%であり、514件であった。514件と聞くとかなり多いのではないか、と考える読者もいるかもしれない。しかし、発生全体36万件の0.1%であり、また、発生確率の高い組み合わせの上位98.6%(31位までの件数)に入ってこない1、ということを留意したい。
【図表3】2017年成婚男女の年齢組み合わせランキング/50代男性との組み合わせが登場する32位まで(件)
以上から、
 
(4) 50代の初婚は成婚しやすい組み合わせの上位98.6%に入らないため、「男女ともに」
非常に厳しいといえる

 
(5) 50代の初婚男性で、発生確率は低いものの成婚している組み合わせで最も多い相手は
40代前半女性である

 
男女とも、40代、50代の結婚は成婚全体に占める発生確率から見て、決して確率が高い状況ではないが、その現実に関しての認識の差が、男女で大きく異なっている。またこの認識の差異から、男性登録者の結婚マッチングシステムへの登録が女性よりも大きく遅れているのが現状である2
 
先に支援現場で「問題視」されている、と述べたが、意識差の問題(発生確率の認知格差)から、結婚相談所や支援団体やサポーターが現在最も説得に苦慮しているのは、40代以降の男性登録者とこういった発生確率を理解していないその親族に対してとなっている。

結婚に向けた活動の中で、徐々に認知の歪みが是正される男性登録者もいるが、その場合でも「第2の壁」として、マッチング相手の女性の年齢への理解が出来ない男性側の親族のブロックへの苦慮の声があがっている。
 
希望する事象の発生データを正しく理解するためにも、次回も続編で最新の結婚年齢ゾーン別にみた組み合わせ発生状況のさらなる解説を行なっていきたい。
 
1 しかもこの発生確率は成婚した男女における確率であり、希望はあるものの成婚にいたらなかった男女は母数に含まれないことも留意したい
2 本稿では省略するが、20代30代では女性の登録者が男性登録者を大きく上回り、男女の登録者数がバランスするのはようやく40代からとなる。50代では圧倒的に男性登録者が占めるように変化する。
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生活研究部   人口動態シニアリサーチャー

天野 馨南子 (あまの かなこ)

研究・専門分野
人口動態に関する諸問題-(特に)少子化対策・東京一極集中・女性活躍推進

(2019年12月02日「研究員の眼」)

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