コラム
2017年05月15日

「えひめ方式」未婚化への挑戦(2)-未婚化・少子化社会データ再考-「高卒後男女エリア外流出」の現実

生活研究部 人口動態シニアリサーチャー   天野 馨南子

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はじめに

先月のコラム「えひめ方式」未婚化への挑戦(1)-世界ランキングお年寄り大国第1位日本・少子化社会データ再考-地方を揺るがす「後継者問題」では、なぜ一般社団法人愛媛県法人会連合会(以下、法人会)が愛媛県における結婚支援に立ち上がったのかを「後継者問題」の観点から説明した。小規模事業所が9割を超える愛媛県において、職場における自然な出会いが困難を極めること、未婚化は後継者難へ直結しやすく、後継者問題から経営に不安をもつ事業主が少なくないことを示した。

次に本稿では、愛媛県というエリアの現在の人口構造が持つ、未婚化(特に後継者問題)をさらに深刻化させているある要因に焦点をあてる。


今月発表したコラム2015年最新国勢調査結果・都道府県別生涯未婚率データが示す「2つのリスク」では、未婚化には2つのリスクがあり1つは「消滅可能性都市リスク」、もう1つは「社会不安リスク」であることを説明した。えひめの結婚支援の中心となる法人会はこの2つのリスクのうち「消滅可能性都市リスク」に内包される後継者問題と戦っている。
 
そして、えひめの後継者問題の壁はさらにもう一つの理由から、非常に高い壁となっている。もはやえひめが一丸となって未婚化に立ち向かわなければ解決できない「ある状況」をわかりやすく可視化することで、えひめがいかに大きな未婚化の壁を眼前にしているかを示してみたい。

21歳を境界にがらりと変わるえひめの人口構造

図表1は最新の国勢調査の結果から、愛媛県の年齢別男女人口の男女数差異を算出し、図表化したものである。21歳を境界にして、それまでは男性超過構造である愛媛県が、一転、女性超過構造エリアに変化してゆく様子が明確に示されている。成人式あたりまでは男性が女性よりも多いエリアであるものの(この理由の分析は本稿では行っていない)、成人式を過ぎたあたりからエリアにおける男性超過構造が女性超過構造に変化してゆく。 

わかりやすくいうと、「愛媛県では21歳あたりで男女バランスに大きな変化が生じ、それはその後も解消されることがない」。

図表1は全年齢の男女人口差異の結果を可視化したものである。高年齢ゾーンは女性が男性より長生きであることから発生している男女数の差であるので、より見やすくするために、男性の流出が激しい年齢である21歳前後の15歳(高校生)から40歳まで、に焦点を絞り、再度見やすく男女人口差異を示したものが図表2である。
【図表1】愛媛県における「全年齢」男女の人口数差(男性-女性)(人)/【図表2】愛媛県における「若者」の年齢別男女の人口差(男性-女性)(人)
高校生から成人式の少し後の21歳までは男性が女性よりも明らかに多い。しかし21歳あたりで男女の人口構造に変化が起こっていることがわかる。

一体、この年齢あたりで何が起こっているのだろうか。
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生活研究部   人口動態シニアリサーチャー

天野 馨南子 (あまの かなこ)

研究・専門分野
人口動態に関する諸問題-(特に)少子化対策・東京一極集中・女性活躍推進

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