コラム
2019年12月16日

2017年婚姻届における初婚男女の年齢組み合わせランキング(3)-なぜ結婚希望が叶わないのか-30代男性編/妻の年齢ゾーン別分布状況

生活研究部 人口動態シニアリサーチャー   天野 馨南子

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はじめに

前回のコラムでは、10代から20代男性の成婚状況について婚姻届の分析結果を紹介した。

20代男性は20代女性との成婚しかほぼ発生しない、といってよいマッチング状況が判明した。

今回は、男性の平均初婚年齢(2017年31.1歳)の報道を意識してかはわからないが、20代男性から聞かれることの多い「結婚は、まあ・・・30過ぎでいいかな」という考え方について、統計的には何が言えるかということを見てみたい。

30代男性の結婚相手の5歳年齢ゾーン別分布状況

前回同様に30代前半の男性の成婚発生状況を相手女性の5歳年齢ゾーン別で見てみることとする。

30代前半男性の成婚9万2千件のうちで最も多かった相手女性の5歳年齢ゾーンは同じ30代前半の43%(4万件)であった。また2番目に多かったのは20代後半女性の41%(3万7千件)で、この2タイプで84%を占めている。

また3番目は30代後半の明らかに年上となる妻が8%、4番目には20代前半妻が7%となっているが、割合で上位2タイプと30ポイント以上の大きな差が見られる。

以上から30代前半の男性の結婚は、
 
 
(1) アラサー(30歳前後)女性との結婚が84%で、30代前半の女性:20代後半の女性 がほぼ 1:1(注:自分より年上年下ともに含む)(それぞれ5人に2人ずつ程度)
(2) 20代女性との結婚が48%(うち20代前半は7%)、30代女性との結婚が51%(うち30代後半が8%)
(3) 5歳年齢ゾーンでみても年上の妻との結婚は7.6%で12人に1組程度
 
ということがみてとれる。
【図表1】2017年成婚男女の年齢組み合わせ/30代前半男性とその妻の年齢分布(%)
次に、30代後半の男性の結婚4万5千件についてであるが、最も多かった組み合わせは1つ下の5歳年齢ゾーンとなる30代前半女性との成婚1万7千件で、38%となった(図表2)。
【図表2】2017年成婚男女の年齢組み合わせ/30代後半男性とその妻の年齢分布(%)
2番目に多いのは、同じ5歳年齢ゾーンの30代後半女性との結婚の1万3千件で、全体の29%となった。次に20代後半女性との結婚1万件で23%発生している。この3パターンで90%を超える。
 
以上から30代後半の男性の結婚は、
 
(4) 30代女性との結婚が68%、20代女性との結婚が27%で、内訳として30代前半:30代後半(年上妻含む):20代後半 が、ほぼ4:3:2で発生  
(5) 5歳年齢ゾーンでみても年上の妻との結婚は5%で20人に1人程度
 
ということが出来る。
 
30代前半男性と比べると、30代後半男性の結婚は20代妻の割合が48%から27%に大きく減少するという特徴と、5歳年齢ゾーンで見て年上である女性を選択するケースが20組に1組程度と極めて少なくなってくるという特徴がある。
 
30代後半男性は、自分より年下となる男性達との比較においてみると、
 
「年の差でみて自分より若い女性(例:38歳の男性にとっての32歳の女性)」ではなく絶対値でみた「若い女性(20代女性)」を望むような場合は、かなりレッドオーシャン1な状況となる
 
ことがデータからは読み取れる。
 
その一方で、年上妻の選択に関しては年下の男性達よりも回避する傾向が強くなるゾーン傾向のために、以上の成婚状況とあわせて考えると、30代後半男性が30代前半の男性と同様に引き続き女性の絶対的若さ(特に20代)にこだわった相手探しを続けようとする場合、「なんだかマッチングが急に難しくなった」と感じる婚期ゾーンである様子が示されている。
 
1 経営戦略で使用されることの多い用語で、競争の激しい状態をレッドオーシャン、競争が少ない状態をブルーオーシャンと呼ぶ。

30代男性の結婚は、前半と後半では相手の女性の年齢ゾーンに大きな差が発生

結婚相談所や地域の結婚支援センターなどの結婚支援の現場において、よく男性側の親族からでてくる言葉として、「男はいくつになっても子どもが授かれるから結婚が遅れても大丈夫」という常套句がある。筆者の講演会でも、30代の独身の子どもをもつ親から「娘は出産適齢期があるので結婚を急がせましたが、30代の息子の結婚時期は気にしたことがありませんでした」といった声があがる。
 
しかしながら、子どもを授かりたいから結婚したい、というのであれば、男性は「相手が出産適齢期の女性であるかどうか」という視点よりもむしろ、「自分の求める適齢期の女性に選ばれるのか/好まれるのか」という「選ばれる婚期」視点が非常に重要となってくることを、初婚男女の年齢の組み合わせの統計結果は示している。
【図表3】30代前半男性と30代後半男性の妻の年齢ゾーンの差
「20代女性の登録者数が少ないのではないか」「20代女性の登録者はいるのか」といった男性からの問い合わせが寄せられる相談所もある。
 
しかし婚姻届分析結果からは、20代女性との成婚割合について20代男性では87%、30代前半男性では48%、30代後半男性では27%となるので、男性の年齢上昇がいかに成婚相手の年齢に大きく影響しているか、ということが示されている。
 
成婚数で見るとこの傾向はさらに顕著となり、20代後半男性の20代妻との成婚は12.0万件、30代前半男性で4.4万件、30代後半男性1.2万件であるので、実数ベースで見ると20代後半男性は30代前半男性の2.7倍、30代後半男性の9.9倍、20代妻を得ている計算となる。
 
以上から、もしどうしても20代女性との成婚を願うならば、自身も20代で、それが難しくても30代前半までに活動することが何よりの処方箋となるということが、初婚を目指す男性、その親族、そして結婚支援者、全てにおいて把握される必要があるだろう。
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生活研究部   人口動態シニアリサーチャー

天野 馨南子 (あまの かなこ)

研究・専門分野
人口動態に関する諸問題-(特に)少子化対策・東京一極集中・女性活躍推進

(2019年12月16日「研究員の眼」)

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