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- 企業物価指数(2019年8月)―国際市況の落ち込みに伴い国内企業物価は下落幅が拡大
2019年09月12日
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1.国内企業物価は前年比▲0.9%と下落幅を拡大
9月12日に日本銀行から発表された企業物価指数によると、2019年8月の国内企業物価指数は前年比▲0.9%(7月:同▲0.6%)と3ヵ月連続のマイナスとなり、事前の市場予想(QUICK集計:前年比▲0.8%、当社予想も▲0.8%)を小幅に下回る結果となった。
原油価格の下落を反映し、石油・石炭製品が前年比▲9.9%(7月:同▲8.5%)、化学製品が前年比▲4.7%(7月:同▲3.9%)と先月よりも下落幅を拡大させたことが押し下げ要因となった。
国内企業物価指数の前月比は▲0.3%(7月:同0.0%)と2ヵ月ぶりにマイナスに転じた。夏季電力料金引き上げの影響を除いた国内企業物価指数の前月比は▲0.2%(7月:同▲0.3%)と4ヵ月連続でマイナスとなった。
内訳をみると、石油・石炭製品は原油価格の下落により前月比▲2.0%(7月:同▲2.0%)と3ヵ月連続の下落となった。石油製品を類別に見ると、ガソリン(7月:前月比▲0.2%→8月:同▲1.8%)、灯油(7月:同▲0.2%→8月:同▲3.5%)、軽油(7月:同▲0.5%→8月:同▲3.3%)が3ヵ月連続の下落となった。また、化学製品も原油安の影響から前月比▲0.2%(7月:同▲0.3%)と4ヵ月連続の下落となったほか、中国の景気減速を背景とした銅価格の下落を受けて、非鉄金属は前月比▲0.9%(7月:同▲0.2%)と4ヵ月連続の下落となった。電力・都市ガス・水道は前月比▲0.5%(7月:3.0%)となった。
原油価格の下落を反映し、石油・石炭製品が前年比▲9.9%(7月:同▲8.5%)、化学製品が前年比▲4.7%(7月:同▲3.9%)と先月よりも下落幅を拡大させたことが押し下げ要因となった。
国内企業物価指数の前月比は▲0.3%(7月:同0.0%)と2ヵ月ぶりにマイナスに転じた。夏季電力料金引き上げの影響を除いた国内企業物価指数の前月比は▲0.2%(7月:同▲0.3%)と4ヵ月連続でマイナスとなった。
内訳をみると、石油・石炭製品は原油価格の下落により前月比▲2.0%(7月:同▲2.0%)と3ヵ月連続の下落となった。石油製品を類別に見ると、ガソリン(7月:前月比▲0.2%→8月:同▲1.8%)、灯油(7月:同▲0.2%→8月:同▲3.5%)、軽油(7月:同▲0.5%→8月:同▲3.3%)が3ヵ月連続の下落となった。また、化学製品も原油安の影響から前月比▲0.2%(7月:同▲0.3%)と4ヵ月連続の下落となったほか、中国の景気減速を背景とした銅価格の下落を受けて、非鉄金属は前月比▲0.9%(7月:同▲0.2%)と4ヵ月連続の下落となった。電力・都市ガス・水道は前月比▲0.5%(7月:3.0%)となった。
2.輸入物価は前月比で上昇に転じる

契約通貨ベースで輸入物価指数の内訳をみると、石油・石炭・天然ガス(7月:前月比▲5.7%→8月:同1.8%)、電気・電子機器(7月:同▲0.6%→8月:同0.1%)、金属・同製品(7月:同▲0.7%→8月:同4.0%)、飲食料品・食料用農水産物(7月:同▲0.8%→8月:同0.4%)が上昇に転じ、輸入物価を押し上げた。
8月の為替レート(月中平均)は円高水準で推移したが、9月に入り世界経済の先行きへの警戒感が後退したため円安が進んでいる。一方、原油価格(ドバイ)は上値の重い展開が続いており、足元は50ドル台後半で推移している。世界需要の減速を反映した国際商品市況の低調な推移により、輸入物価指数は先行きも弱めの動きが続くと予想される。
3.素原材料の下落が中間財、最終財の価格に波及

また、消費者物価(生鮮食品を除く総合)と関連性の高い消費財は前年比▲2.1%(7月:同▲1.7%)と4ヵ月連続のマイナスとなり、下落幅を拡大させた。
国際商品市況が軟調に推移する中、国内企業物価指数は今後も弱い動きが続く公算が大きい。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2019年09月12日「経済・金融フラッシュ」)
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