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公的年金だけで期待できる生活水準を考えるーパートナーってありがたい
基礎研REPORT(冊子版)9月号
金融研究部 主任研究員・年金総合リサーチセンター・ジェロントロジー推進室・ESG推進室兼任 高岡 和佳子
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【公的年金だけで期待できる生活水準】
貧困には、必要最低限の生活水準が満たされていない状態の「絶対的貧困」、これに対して、ある地域社会の大多数よりも貧しい状態の「相対的貧困」という見方がある。平成28年国民生活基礎調査の概要によると、相対的貧困状態にある人の割合(以下、相対的貧困率)は15.7%に及ぶ。世帯の可処分所得と世帯人員数を用いて算出する生活水準を表す金額(以下、等価可処分所得)で、中央値の半分の水準を下回ると相対的貧困状態と判断される。なお、等価可処分所得の中央値は年額244万円なので、年額122万円(以下、貧困線)を下回ると相対的貧困状態となる。
これに対し、平成26年財政検証におけるモデル世帯の等価可処分所得を計算すると年額185万円で貧困線を大きく上回るが、日本の中間層の等価可処分所得、年額244万円をはるかに下回る。現役世代とは異なり貯蓄に回す必要性が低下するとはいえ、年金だけで日本の中間層と同程度の生活水準を維持することは難しい。退職後も日本の中間層と同程度の生活水準を維持したければ、やはり老後に2~3千万円の資産を各世帯で用意する必要がある。しかしながら、これを理由に、貧困線を大きく上回る生活水準を維持できるモデル世帯が「公的年金だけでは生活できない」と公的年金制度に不平を言ったら、相対的貧困状態にある15.7%の人たちはどう思うだろう。
【恵まれているのはモデル世帯だけ?】
【中長期的にはどうだろう?】
【夫婦世帯もいずれは単身世帯に】
* 老齢厚生年金は標準報酬月額だけでなく標準賞与額の影響も受けるが、ここでは標準賞与額は標準報酬月額と概ね比例関係にあることを前提に計算している。
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(2019年09月06日「基礎研マンスリー」)
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