2019年08月26日

改正相続法の解説(4)-銀行預金をどう払い戻すか

保険研究部 常務取締役 研究理事 兼 ヘルスケアリサーチセンター長・ジェロントロジー推進室研究理事兼任   松澤 登

少子高齢化 高齢者世帯の家計・資産 などの記事に関心のあるあなたへ

btn-mag-b.png
基礎研 Report Head Lineではそんなあなたにおすすめのメルマガ配信中!
各種レポート配信をメールでお知らせするので読み逃しを防ぎます!

ご登録はこちら

twitter Facebook このエントリーをはてなブックマークに追加 Pocketで後で読む

文字サイズ

■要旨

相続が発生すると被相続人の預貯金は凍結され、遺産分割協議によって預貯金の帰属が定まるまで相続人はお金を引き出すことができないのが原則である。一方で、葬式代など即座に必要なお金が必要となることもあり、改正相続法では遺産分割前の預貯金引き出しについて二つの制度を用意している。

一つ目は、相続人が単独で、自分の相続分に三分の一を乗じた額を引き出せるとするものである。ただし、銀行実務では被相続人の出生から死亡までの戸籍を必要書類とするなど手間がかかるという難点がある。

二つ目は、遺産分割の審判または調停手続きが申し立てられているときに、家庭裁判所から預貯金債権について仮分割の仮処分出してもらうことで、預金を引き出すことができるという制度がある。しかし、これも家庭裁判所での手続きとなるため、手間がかかる。

別の方法として、預貯金を特定の相続人に相続させる遺言を書いておくことが考えられるが、銀行実務ではやはり被相続人の出生からの戸籍を求めるなど簡易な手続きにはなっていないようである。

信託銀行や一部地銀の遺言代用信託を利用することで、被相続人死亡により、事前に指定した特定相続人に信託財産を引き継がせるということが可能となり、また、金銭引き出しのための必要書類も多くはなく、検討の余地がある。

■目次

1――はじめに
2――遺産分割前の預貯金の払戻制度-必要書類取得に手間がかかる-
  1|制度の概要
  2|具体的な手続き
3――預貯金債権について仮分割の仮処分-家庭裁判所への申立てが必要-
  1|制度の概要
  2|具体的な手続き
4――遺言等による預貯金の帰属
  1|いわゆる相続させる旨の遺言-必要種類の取得や遺言執行者選任の手間がかかる-
  2|遺言代用信託-最も簡素な手続きで使い勝手が良い-
5――おわりに
twitter Facebook このエントリーをはてなブックマークに追加 Pocketで後で読む

保険研究部   常務取締役 研究理事 兼 ヘルスケアリサーチセンター長・ジェロントロジー推進室研究理事兼任

松澤 登 (まつざわ のぼる)

研究・専門分野
保険業法・保険法|企業法務

アクセスランキング

レポート紹介

【改正相続法の解説(4)-銀行預金をどう払い戻すか】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

改正相続法の解説(4)-銀行預金をどう払い戻すかのレポート Topへ