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- 改正相続法の解説(2)-遺言で遺産をどう分けるか―遺留分制度を中心に
2019年07月03日
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■要旨
令和元年7月1日の改正相続法施行により、遺留分制度が改正された。被相続人は遺言により原則として自由に相続財産を分与することができるが、これに対して相続人となる者は、遺留分制度により、相続財産の一定割合を受け継ぐことを主張することができる。したがって、相続人が二人いる場合に、片方の相続人に全財産を分与する遺言を書いても、他方の相続人から、法の定める遺留分に相当する権利を主張されうる。
改正前相続法では、たとえば不動産であれば、遺留分の主張により所有権を取り戻すことができるといった効果を有していた。一方、改正相続法は単に遺留分に相当する金銭を請求することができるということにとどめることとした。
遺言を書くに当たっては、遺留分制度を理解したうえで、相続人の間でどう財産を分与するかを考える必要がある。また、生命保険を利用した遺留分対策も検討の余地がある。
■目次
1――はじめに
2――遺留分とは
1|遺留分とは
2|遺留分制度の改正
3――遺留分侵害額請求権の行使
1|各相続人の遺留分
2|遺留分算定のもととなる財産
4――遺留分侵害請求権への対応
1|寄与分と遺留分
2|期限の利益の付与
3|生命保険への加入
5――おわりに
令和元年7月1日の改正相続法施行により、遺留分制度が改正された。被相続人は遺言により原則として自由に相続財産を分与することができるが、これに対して相続人となる者は、遺留分制度により、相続財産の一定割合を受け継ぐことを主張することができる。したがって、相続人が二人いる場合に、片方の相続人に全財産を分与する遺言を書いても、他方の相続人から、法の定める遺留分に相当する権利を主張されうる。
改正前相続法では、たとえば不動産であれば、遺留分の主張により所有権を取り戻すことができるといった効果を有していた。一方、改正相続法は単に遺留分に相当する金銭を請求することができるということにとどめることとした。
遺言を書くに当たっては、遺留分制度を理解したうえで、相続人の間でどう財産を分与するかを考える必要がある。また、生命保険を利用した遺留分対策も検討の余地がある。
■目次
1――はじめに
2――遺留分とは
1|遺留分とは
2|遺留分制度の改正
3――遺留分侵害額請求権の行使
1|各相続人の遺留分
2|遺留分算定のもととなる財産
4――遺留分侵害請求権への対応
1|寄与分と遺留分
2|期限の利益の付与
3|生命保険への加入
5――おわりに
(2019年07月03日「基礎研レター」)
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03-3512-1866
経歴
- 【職歴】
1985年 日本生命保険相互会社入社
2014年 ニッセイ基礎研究所 内部監査室長兼システム部長
2015年4月 生活研究部部長兼システム部長
2018年4月 取締役保険研究部研究理事
2021年4月 常務取締役保険研究部研究理事
2025年4月より現職
【加入団体等】
東京大学法学部(学士)、ハーバードロースクール(LLM:修士)
東京大学経済学部非常勤講師(2022年度・2023年度)
大阪経済大学非常勤講師(2018年度~2022年度)
金融審議会専門委員(2004年7月~2008年7月)
日本保険学会理事、生命保険経営学会常務理事 等
【著書】
『はじめて学ぶ少額短期保険』
出版社:保険毎日新聞社
発行年月:2024年02月
『Q&Aで読み解く保険業法』
出版社:保険毎日新聞社
発行年月:2022年07月
『はじめて学ぶ生命保険』
出版社:保険毎日新聞社
発行年月:2021年05月
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