2019年07月08日

インシュアテック企業「オスカー」は、米国医療市場でデータヘルスの先駆けとなるか

松岡 博司

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■要旨

昨夏、グーグルの親会社、アルファベットが、設立わずか6年の新興医療保険会社「オスカー」に、3.75億ドルの出資を行ったことが注目を集めた。

オスカーは、保険(インシュアランス)とテクノロジーを掛け合わせたインシュアテック分野でいち早く世界の注目を浴びたスタートアップ(新興)企業であるとともに、進化したデジタルテクノロジーを医療に適用する最先端のデータヘルス企業でもある。

オスカーは、医療保険会社として保険事業を主に営んでいるが、米国医療制度の特殊性もあって、その事業内容は医療サービス提供の方向にも大きく踏み出しており、遠隔医療、電子カルテ等、自身が是と考えるデータヘルスを自由に切り拓いていっている。

本稿では、インシュアテック、デジタルヘルスの実験企業とも言えるオスカーのあり方を見ることにより、デジタルを活用した、「これからの保険経営」、「これからの医療」を考えて行く上での参考に供したい。

■目次

はじめに-世界でもっとも有名なインシュアテック企業にしてデータヘルス企業
1――米国医療のあり方にもの申す
2――オスカーの概要
3――利用者目線で見たオスカーのサービス 「顧客体験の心地よさ」
  1|主なサービスの内容
  2|これらのサービスを提供した結果、オスカーのネットプロモータースコアは
    業界平均を大きく上回っている
4――データを基軸に経営するオスカーの事業方向
  1|メンバーのオスカーへのエンゲージメントを増やす
  2|できるだけバーチャルケアを適用して、メンバーの負担、全体コストを引き下げる
  3| テクノロジーとデータサイエンスを用いて、メンバーの状態に応じ、
    最適で価値の高いケアに案内する
  4|アルゴリズムを活用し独自の狭いが有効な医療プロバーダーネットワークを
    構築する
  5|すべての主要なテクノロジーをインハウスで構築し、比類のない機能を促進する。
    より大きな規模拡張性と透明性を実現する
さいごに
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松岡 博司

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