- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 資産運用・資産形成 >
- 投資信託 >
- 投資信託の信託報酬とリスク・リターンの分析(2)~投資信託の分類毎のパフォーマンスを概観する~
投資信託の信託報酬とリスク・リターンの分析(2)~投資信託の分類毎のパフォーマンスを概観する~

金融研究部 准主任研究員・サステナビリティ投資推進室兼任 原田 哲志
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
個人投資家が投資信託を通じて投資を行う場合、信託報酬という手数料を支払い資産運用のプロに運用を委託することとなる。この時、投資家が支払う信託報酬はどれだけ収益の獲得に結びついているのだろうか。
前回の『投資信託の信託報酬とリスク・リターンの分析(1)』では、投資信託のパフォーマンス評価について基本的な事項を整理した。
本稿では、国内株式に投資する投資信託のリスク・リターンや信託報酬の水準について概観した。
(1)リターンについては、同じ日本株への投資であっても投資カテゴリーによって比較的大きな格差が生じていること、中小型のリターンが高い理由は、運用の巧拙というよりも主にジャスダック市場の上昇の影響であること、つまりベンチマークのリターンが高かったこと(市況要因)である。また、超過収益率については、アクティブファンドは信託報酬控除前はプラスを獲得できているが、控除後ではマイナスとなっている。
(2)リスクについては、アクティブファンドの方がインデックスファンドよりも平均水準は高くなっている。一方で、シャープレシオをみると、インデックスファンドのほうがリターン効率に優れる結果となった。トラッキングエラーについては、アクティブファンドは超過収益の獲得を目指し、リスクをとる運用を行うため、高くなるのに対して、インデックスファンドはベンチマークに連動する運用を行うため、小さい値となった。
(3)信託報酬については、アクティブファンドの方がインデックスファンドよりも高く、これが超過収益率を押し下げる結果となっている。
■目次
1―――はじめに
2―――投資信託の分類とその特徴
3―――リスク・リターンと信託報酬の平均水準
(1) 投資信託のリターンの状況
(2) 投資信託のリスクの状況
(3) 投資信託の信託報酬の状況
4―――まとめ
(2019年07月01日「基礎研レター」)

03-3512-1860
- 【職歴】
2008年 大和証券SMBC(現大和証券)入社
大和証券投資信託委託株式会社、株式会社大和ファンド・コンサルティングを経て
2019年 ニッセイ基礎研究所(現職)
【加入団体等】
・公益社団法人 日本証券アナリスト協会 検定会員
・修士(工学)
原田 哲志のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/06/13 | DeepSeekに見るAIの未来-近年のAI進化の背景とは | 原田 哲志 | 基礎研レポート |
2025/06/06 | グローバル株式市場動向(2025年5月)-関税措置緩和やAIサービス・半導体需要拡大から上昇 | 原田 哲志 | 基礎研レター |
2025/06/03 | 持続可能なバイオマス発電の活用と林業の再生に向けて | 原田 哲志 | 基礎研レター |
2025/05/09 | グローバル株式市場動向(2025年4月)-トランプ関税への各国の対応が注目される | 原田 哲志 | 基礎研レター |
新着記事
-
2025年06月16日
マスク着用のメンタルヘルスへの影響(1)-コロナ禍の研究を経て分かっていること/いないこと -
2025年06月13日
DeepSeekに見るAIの未来-近年のAI進化の背景とは -
2025年06月13日
年齢制限をすり抜ける小学生たち-α世代のSNS利用のリアル -
2025年06月13日
インド消費者物価(25年5月)~5月のCPI上昇率は+2.8%、食品価格の低下が続いて6年ぶりの低水準に -
2025年06月13日
欧州保険会社が2024年のSFCR(ソルベンシー財務状況報告書)を公表(2)-SCRの算出(内部モデルの使用状況と分散効果の状況等)-
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
【投資信託の信託報酬とリスク・リターンの分析(2)~投資信託の分類毎のパフォーマンスを概観する~】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
投資信託の信託報酬とリスク・リターンの分析(2)~投資信託の分類毎のパフォーマンスを概観する~のレポート Topへ