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2019年06月12日

企業物価指数(2019年5月)~国際市況を受けて上昇ペースが鈍化~

経済研究部 研究員   藤原 光汰

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1.国内企業物価はプラスを維持も上昇幅を縮小

国内企業物価指数(前年比・前月比)の推移 6月12日に日本銀行から発表された企業物価指数によると、2019年5月の国内企業物価は前年比0.7%(4月:同1.3%)と上昇率は前月から▲0.6%ポイント低下し、事前の市場予想(QUICK集計:同0.7%)通りの結果となった。伸び率は29ヵ月連続のプラスとなっている。
国内企業物価指数の前年比寄与度分解 前月比では▲0.1%(4月:同0.4%)と4ヵ月ぶりのマイナスに転じた。非鉄金属は前月比▲2.4%(4月:同0.0%)と大きく下落し、前月比寄与度は▲0.06%ポイントと企業物価を押し下げた。中国の景気減速を受けた銅の需要の落ち込みによる銅価格の下落が影響している。石油・石炭製品は前月比1.6%(4月:同3.2%)と原油価格の下落によって前月よりプラス幅は縮小したものの、4ヵ月連続のプラスとなった。前月比寄与度は0.11%ポイントで、企業物価の押し上げ要因となった。石油製品を類別に見ると、ガソリン(前月比1.5%)、灯油(同2.4%)、軽油(同2.1%)などが4ヶ月連続のプラスとなった。年末にかけて下落していた原油価格の動きが遅れて反映される電力・都市ガス・水道(前月比▲0.6%、寄与度は▲0.04%ポイント)は2ヵ月連続の下落となった他、化学製品(同▲0.4%、寄与度は▲0.04%ポイント)は2ヵ月ぶりのマイナスに転じた。

2.円ベースの輸入物価は円高により下落

輸入物価指数変化率の要因分解(契約通貨ベース) 5月の輸入物価は、契約通貨ベースでは前月比1.1%(4月:同0.1%)と4ヵ月連続のプラスとなり、上昇幅を拡大させた。一方、5月のドル円相場は、前月比▲1.7%の円高水準になったことから、円ベースでは前月比▲0.3%(4月:同0.4%)と4ヵ月ぶりに下落した。また、前年比(円ベース)では▲1.4%(4月:同1.7%)と3ヵ月ぶりのマイナスとなった。

契約通貨ベースでみると、石油・石炭・液化天然ガス(4月:前月比0.1%→5月:同3.2%)は、天然ガス(同▲2.2%)が4ヵ月連続のマイナスとなったものの、原油(同6.5%)やナフサ(同5.8%)の寄与により3ヵ月連続で上昇した。前月比寄与度は0.94%ポイントとなり、輸入物価を1%近く押し上げた。電気・電子機器(4月:前月比▲0.1%→4月:同▲0.1%)は前月から横ばいで、13ヶ月連続のマイナスとなった。また、金属・同製品(4月:前月比0.7%→5月:同1.0%)は、非鉄金属(同▲1.3%)がマイナス幅を拡大させたものの、鉄鉱石(同12.0)などの金属素材(同3.6%)などのプラスの下支えによって4ヵ月連続で上昇している。

5月の原油価格は、供給過剰感の高まりと需要減退観測の広がりなどにより大きく下落した。今後の原油政策の動き次第でさらに下値を探ることになれば、輸入物価の伸びも鈍化するだろう。また、足もとのドル円相場は円高基調が続いており、円ベースでの輸入物価を押し下げる方向に作用するだろう。

3.川上から川下への上昇圧力が弱まり、最終財はマイナスに

需要段階別指数の推移 4月の需要段階別指数(国内品+輸入品)をみると、素原材料が前年比0.6%(4月:同4.4%)、中間財が前年比0.4%(4月:同1.5%)、最終財が前年比▲0.4%(4月:同0.3%)となり、全ての段階で伸び率が低下した。素原材料は国際商品市況を反映しやすく、プラス幅を大きく縮小させた。

消費者物価(生鮮食品を除く総合)と関連性の高い消費財は前年比▲0.3%(4月:同0.3%)と2ヵ月ぶりのマイナスとなった。

国際商品市況の下落を反映し、先行きの国内企業物価指数は前年比で伸び率を低下させるだろう。
 
 

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経済研究部   研究員

藤原 光汰 (ふじわら こうた)

研究・専門分野
日本経済

(2019年06月12日「経済・金融フラッシュ」)

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