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子どもの医療費助成の拡充~子育て世帯への経済的支援に賛同するも、目的と効果についての議論が必要

保険研究部 主任研究員・ヘルスケアリサーチセンター兼任 村松 容子
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就学前の子どもが医療機関にかかった時の窓口負担は、健康保険法によって、一般の3割よりも低い2割と定められている。また、現在、すべての都道府県や市区町村で乳幼児医療費助成制度があるため、実質の負担はさらに少ない。未就学児では医療費が無料の地域も多く、子育て世帯への経済的支援となっていることから、自治体における助成拡充競争が過熱している。
経済的理由で、必要な子どもの受療を躊躇しないように、また、子育て世帯を支援するために、子どもの医療費を助成するという主旨に反対する意見は少ないが、既存研究によれば、子どもの健康維持・増進への効果は、限定的である可能性がある。
限りある財源、医療資源を活用するために、助成の対象や程度については、制度の目的・効果を明らかにし、国が関与したうえで本当に必要な世帯への助成が行えるよう慎重な議論が求められる。
■目次
1――乳幼児医療費助成制度とは
2――乳幼児医療費助成制度は拡充傾向
1|市区町村が都道府県の助成に独自に上乗せ
2|財源が確保できなくても拡充傾向
3――この4月から、助成にともなう国保補助金の減額措置を見直し
1|国保補助金の減額調整
2|未就学児に対する助成については、2018年4月に減額調整を廃止
4――子どもや子育て世帯への支援に賛同する意見が多いが、課題は多い
5――子どもの健康維持・増進が目的か。子育て世帯への経済的支援が目的か。
(2018年12月25日「基礎研レポート」)

03-3512-1783
- 【職歴】
2003年 ニッセイ基礎研究所入社
村松 容子のレポート
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