- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 不動産 >
- 不動産市場・不動産市況 >
- オフィスは需給逼迫が継続。Jリートは物件の入替を積極化。-不動産クォータリー・レビュー2018年第3四半期
2018年11月09日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
4. J -REIT(不動産投信)・不動産投資市場
(1) J -REIT(不動産投信)
2018年第3四半期の東証REIT指数(配当除き)は、6月末比0.7%上昇し年初からの上昇率は6.9%に拡大した。セクター別ではオフィスが2.2%、住宅が2.8%上昇する一方で、商業・物流等が▲2.0%下落した(図表-28)。需給面では、REIT市場の高い利回りに着目した海外投資家やETF(上場投資信託)経由の資金が流入する一方で、物件取得に伴う公募増資の発表も多くREIT指数はもみ合う展開が続いている。9月末時点のバリュエーションは、純資産9.4兆円に保有物件の含み益2.7兆円を加えた12.1兆円に対して時価総額は12.9兆円でNAV倍率は1.06倍、分配金利回りは4.1%(対10年国債利回りスプレッド4.0%)である。
2018年第3四半期の東証REIT指数(配当除き)は、6月末比0.7%上昇し年初からの上昇率は6.9%に拡大した。セクター別ではオフィスが2.2%、住宅が2.8%上昇する一方で、商業・物流等が▲2.0%下落した(図表-28)。需給面では、REIT市場の高い利回りに着目した海外投資家やETF(上場投資信託)経由の資金が流入する一方で、物件取得に伴う公募増資の発表も多くREIT指数はもみ合う展開が続いている。9月末時点のバリュエーションは、純資産9.4兆円に保有物件の含み益2.7兆円を加えた12.1兆円に対して時価総額は12.9兆円でNAV倍率は1.06倍、分配金利回りは4.1%(対10年国債利回りスプレッド4.0%)である。
昨年来、REIT各社は現在の不動産価格の上昇を好機と捉え、物件の入れ替えを積極化しており、2017年は約3,400億円、今年上期もすでに2,500億円を超える不動産を売却した。これに伴う売却益も膨らんでおり、経常利益に占める売却損益の割合は昨年が6.1%、18年上期が5.4%と高水準にある。こうしたポートフォリオの改善と含み益の顕在化を目指す物件の入れ替えは市場の評価も高く、今後も継続することが予想される。
(2) 不動産投資市場
日経不動産マーケット情報によると、2018年第3四半期の不動産売買額は、前年同期比20%増の9,053億円となり、前年割れした第2四半期から一転して増加した。内訳を見ると、うめきた2期の土地(約1778億円)など大型の土地取引が多く、全体の34%を占めた。一方で、オフィスは22%とやや低調であった。また、件数は前年同期比13%増加した。
RCAによると、2018年第3四半期時点の海外投資家による日本の不動産売買金額は、12ヶ月累計でネット249百万ドルとなり、売買額は拮抗している(図表-31)。
また日銀によると、4-6月の「個人による貸家業へ新規貸出」は、前年比で▲22.5%減少した(図表-32)。今のところ市場全体への波及は限定的だが、金融機関の不動産業向け貸出姿勢の変化に引き続き注視が必要である。
日経不動産マーケット情報によると、2018年第3四半期の不動産売買額は、前年同期比20%増の9,053億円となり、前年割れした第2四半期から一転して増加した。内訳を見ると、うめきた2期の土地(約1778億円)など大型の土地取引が多く、全体の34%を占めた。一方で、オフィスは22%とやや低調であった。また、件数は前年同期比13%増加した。
RCAによると、2018年第3四半期時点の海外投資家による日本の不動産売買金額は、12ヶ月累計でネット249百万ドルとなり、売買額は拮抗している(図表-31)。
また日銀によると、4-6月の「個人による貸家業へ新規貸出」は、前年比で▲22.5%減少した(図表-32)。今のところ市場全体への波及は限定的だが、金融機関の不動産業向け貸出姿勢の変化に引き続き注視が必要である。
(ご注意)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものでもありません。
(2018年11月09日「不動産投資レポート」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1853
経歴
- 【職歴】
2000年 東海銀行(現三菱UFJ銀行)入行
2006年 総合不動産会社に入社
2018年5月より現職
・不動産鑑定士
・宅地建物取引士
・不動産証券化協会認定マスター
・日本証券アナリスト協会検定会員
・2022年、2023年 兵庫県都市計画審議会専門委員
渡邊 布味子のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/08/25 | 「持ち家か、賃貸か」。法的視点から「住まい」を考える(4)~「所有権」の制限:「公法上の制限」は公共の福祉のため~ | 渡邊 布味子 | 研究員の眼 |
2025/08/12 | 東京オフィス市場は賃料上昇継続。宿泊需要は伸び率が鈍化-不動産クォータリー・レビュー2025年第2四半期 | 渡邊 布味子 | 不動産投資レポート |
2025/08/04 | 「持ち家か、賃貸か」。法的視点から「住まい」を考える(3)~「所有権」の制限:「相隣関係」とは何か~ | 渡邊 布味子 | 研究員の眼 |
2025/07/28 | 「持ち家か、賃貸か」。法的視点から「住まい」を考える(2)~「所有権」の制限:「権利の濫用」とは何か~ | 渡邊 布味子 | 研究員の眼 |
新着記事
-
2025年09月02日
今週のレポート・コラムまとめ【8/26-9/1発行分】 -
2025年09月01日
法人企業統計25年4-6月期-トランプ関税の影響で製造業は減益も、非製造業が堅調を維持 -
2025年09月01日
米個人所得・消費支出(25年7月)-個人所得、消費支出(前月比)ともに前月を上回った一方、市場予想に一致 -
2025年09月01日
急上昇した日本株に潜む落とし穴~コロナ禍の成功体験は再現するか~ -
2025年09月01日
EUデジタル市場法の施行状況-2024年運営状況報告
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年07月01日
News Release
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
【オフィスは需給逼迫が継続。Jリートは物件の入替を積極化。-不動産クォータリー・レビュー2018年第3四半期】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
オフィスは需給逼迫が継続。Jリートは物件の入替を積極化。-不動産クォータリー・レビュー2018年第3四半期のレポート Topへ