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- 【1-3月期米GDP】前期比年率+0.7%、個人消費の低迷で14年1‐3月期以来の低成長
2017年05月01日
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1.結果の概要:成長率は、前期から大幅低下、市場予想も下回る
1-3月期の成長率を需要項目別にみると、個人消費が前期比年率+0.3%(前期:+3.5%)と、前期から大幅に伸びが鈍化し、14年1-3月期(同▲1.2%)以来の低水準となるなど、成長率低下の大きな要因となった(図表2)。また、政府支出は▲1.7%(前期:+0.2%)と前期からマイナスに転じた。さらに、在庫投資の成長率寄与度も▲0.93%ポイント(前期:+1.01%ポイント)と3期ぶりにマイナスに転じ成長率を押下げた。
一方、民間設備投資が前期比年率+9.4%(前期:+0.9%)と、前期から伸びが加速し、13年10-12月期(同+9.5%)以来の水準となったほか、住宅投資も13.7%(前期:+9.6%)と前期からさらに伸びが加速した。また、前期に大幅な成長押下げ要因となっていた外需は、純輸出(輸出―輸入)の成長率寄与度が+0.07%ポイント(前期:▲1.82%ポイント)と僅かながら成長押上げ方向に転じた。
このように、1-3月期の成長率は3年ぶりの低成長となったものの、個人消費の落ち込みは天候要因などの一時的な影響があったと考えられるほか、ここ数年は季節調整の影響により1-3月期の成長率が低くでる傾向があることから、それほど低成長を気にする必要はないだろう。4-6月期は、個人消費の伸びが再び加速するとみられ、米経済の底堅さを確認する展開となろう。
1 以降、本稿では特に断りの無い限り季節調整済の実質値を指すこととする。
一方、民間設備投資が前期比年率+9.4%(前期:+0.9%)と、前期から伸びが加速し、13年10-12月期(同+9.5%)以来の水準となったほか、住宅投資も13.7%(前期:+9.6%)と前期からさらに伸びが加速した。また、前期に大幅な成長押下げ要因となっていた外需は、純輸出(輸出―輸入)の成長率寄与度が+0.07%ポイント(前期:▲1.82%ポイント)と僅かながら成長押上げ方向に転じた。
このように、1-3月期の成長率は3年ぶりの低成長となったものの、個人消費の落ち込みは天候要因などの一時的な影響があったと考えられるほか、ここ数年は季節調整の影響により1-3月期の成長率が低くでる傾向があることから、それほど低成長を気にする必要はないだろう。4-6月期は、個人消費の伸びが再び加速するとみられ、米経済の底堅さを確認する展開となろう。
1 以降、本稿では特に断りの無い限り季節調整済の実質値を指すこととする。
2.結果の詳細:
(個人消費・個人所得)自動車、公共料金が鈍化の要因
1-3月期の個人消費のうち、財消費は前期比年率+0.1%(前期:+6.0%)と、前期から大幅に伸びが鈍化した(図表3)。非耐久消費財が+1.5%(前期:+3.3%)と前期から伸びが鈍化したほか、耐久消費財が▲2.5%(前期:+11.4%)と、16年1-3月期以来のマイナスとなった。非耐久消費財は、ガソリン・エネルギーが▲8.0%(前期:▲1.7%)と前期からマイナス幅が拡大したほか、衣料・靴が▲5.1%(前期:横這い)と前期からマイナスに転じた。耐久消費財では、自動車・自動車部品が▲16.1%(前期:+16.2%)と2桁の伸びとなった前期から一転、2桁の落ち込みとなった。
一方、サービス消費は+0.4%(前期:+2.4%)と、こちらも前期から伸びが鈍化した。医療サービスが+3.2%(前期:5.6%)と前期から伸びが鈍化したほか、住宅・公益が▲2.3%(前期:▲1.4%)と前期からマイナス幅が拡大した。住宅・公益は、暖冬の影響で暖房費需要が低下したことから公共料金の支出が抑制されたようだ。
所得は、実質可処分所得が前期比年率+1.0%(前期:+2.0%)と前期から伸びが鈍化した(図表4)。貯蓄率は5.7%(前期:5.5%)と前期から上昇した。
1-3月期の個人消費のうち、財消費は前期比年率+0.1%(前期:+6.0%)と、前期から大幅に伸びが鈍化した(図表3)。非耐久消費財が+1.5%(前期:+3.3%)と前期から伸びが鈍化したほか、耐久消費財が▲2.5%(前期:+11.4%)と、16年1-3月期以来のマイナスとなった。非耐久消費財は、ガソリン・エネルギーが▲8.0%(前期:▲1.7%)と前期からマイナス幅が拡大したほか、衣料・靴が▲5.1%(前期:横這い)と前期からマイナスに転じた。耐久消費財では、自動車・自動車部品が▲16.1%(前期:+16.2%)と2桁の伸びとなった前期から一転、2桁の落ち込みとなった。
一方、サービス消費は+0.4%(前期:+2.4%)と、こちらも前期から伸びが鈍化した。医療サービスが+3.2%(前期:5.6%)と前期から伸びが鈍化したほか、住宅・公益が▲2.3%(前期:▲1.4%)と前期からマイナス幅が拡大した。住宅・公益は、暖冬の影響で暖房費需要が低下したことから公共料金の支出が抑制されたようだ。
所得は、実質可処分所得が前期比年率+1.0%(前期:+2.0%)と前期から伸びが鈍化した(図表4)。貯蓄率は5.7%(前期:5.5%)と前期から上昇した。
(2017年05月01日「経済・金融フラッシュ」)
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経歴
- 【職歴】
1991年 日本生命保険相互会社入社
1999年 NLI International Inc.(米国)
2004年 ニッセイアセットマネジメント株式会社
2008年 公益財団法人 国際金融情報センター
2014年10月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
窪谷 浩のレポート
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