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プレミアムフライデーと休日の格差-新しい格差が広がらないようにより慎重な働き方改革の実施を!-
![](https://www.nli-research.co.jp/files/topics/32_ext_01_0.jpg?v=1469580940)
生活研究部 上席研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任 金 明中
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- 最近、政府が働き方改革の中で最も力を入れているのは長時間労働の是正であり、その一環として今年の2月24日から「プレミアムフライデー(Premium Friday)」が実施された。
- プレミアムフライデーを実施した本当の目的は、長時間労働の是正より、早い時間から買い物や旅行などをしてもらうことにより、消費を拡大させ2020年までに名目GDP600兆円を達成することであると言えるだろう。しかしながら、2015年の対前年比個人消費の増加率は-0.1%に留まっており、目標達成の道はかなり険しいと言える。
- 消費が改善されていない要因の一つとしては、政府が思った以上に賃金が上がっていないことが挙げられる。また、4月からは国民年金の保険料が引き上げられ、9月からは厚生年金の保険料率が増加する等、家計の負担が増加することになる。賃金が上がっても社会保険料等の負担が増加すると、手取りの収入は大きく変わらない可能性が高い。
- 日本では企業規模や産業の間に賃金格差のみならず休日の格差が存在している。現在、日本で実施されているプレミアムフライデーは、一部の企業や産業、そして地域、つまり大企業や福利厚生がより充実した産業や企業、そして都心に位置した企業を中心に実施される可能性が高く、「休日の格差」はさらに広がる恐れがある。
- 政府は、プレミアムフライデーが「休みの格差」を広げないように働き方改革に基づいたより慎重な議論や対策を実施するべきである。プレミアムフライデーの実施が新しい格差の拡大に繋がらないことを強く望むところである。
■目次
1――働き方改革の一環としてプレミアムフライデーを導入
2――消費が改善されない理由は?
3――プレミアムフライデーは休日の格差を広げるのか?
(2017年04月13日「基礎研レター」)
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生活研究部 上席研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任
金 明中 (きむ みょんじゅん)
研究・専門分野
高齢者雇用、不安定労働、働き方改革、貧困・格差、日韓社会政策比較、日韓経済比較、人的資源管理、基礎統計
03-3512-1825
- プロフィール
【職歴】
独立行政法人労働政策研究・研修機構アシスタント・フェロー、日本経済研究センター研究員を経て、2008年9月ニッセイ基礎研究所へ、2023年7月から現職
・2011年~ 日本女子大学非常勤講師
・2015年~ 日本女子大学現代女性キャリア研究所特任研究員
・2021年~ 横浜市立大学非常勤講師
・2021年~ 専修大学非常勤講師
・2021年~ 日本大学非常勤講師
・2022年~ 亜細亜大学都市創造学部特任准教授
・2022年~ 慶應義塾大学非常勤講師
・2024年~ 関東学院大学非常勤講師
・2019年 労働政策研究会議準備委員会準備委員
東アジア経済経営学会理事
・2021年 第36回韓日経済経営国際学術大会準備委員会準備委員
【加入団体等】
・日本経済学会
・日本労務学会
・社会政策学会
・日本労使関係研究協会
・東アジア経済経営学会
・現代韓国朝鮮学会
・韓国人事管理学会
・博士(慶應義塾大学、商学)
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