- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 日本経済 >
- 消費者物価(全国17年2月)~物価の基調は弱いが、コアCPI上昇率は夏場にかけてゼロ%台後半へ
2017年03月31日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
1.コアCPIは2ヵ月連続のプラス
総務省が3月31日に公表した消費者物価指数によると、17年2月の消費者物価(全国、生鮮食品を除く総合、以下コアCPI)は前年比0.2%(12月:同0.1%)と2ヵ月連続で上昇し、上昇率は前月から0.1ポイント拡大した。事前の市場予想(QUICK集計:0.2%、当社予想も0.2%)通りの結果であった。
2.東京都区部のコアCPIはマイナス幅拡大
17年3月の東京都区部のコアCPIは前年比▲0.4%(2月:前年比▲0.3%)と13ヵ月連続の下落となったが、下落率は前月から0.1ポイント拡大した。事前の市場予想(QUICK集計:▲0.2%、当社予想も▲0.2%)を下回る結果であった。
ガソリン(2月:前年比15.1%→3月:同21.2%)、灯油(2月:前年比16.4%→3月:同15.1%)が前年比で二桁の大幅上昇を続ける中、電気代(2月:前年比▲5.9%→3月:同▲3.6%)、ガス代(2月:前年比▲10.9%→3月:同▲8.7%)の下落幅が縮小したことから、エネルギー価格の下落率が2月の前年比▲5.1%から同▲2.5%へと縮小した。
ガソリン(2月:前年比15.1%→3月:同21.2%)、灯油(2月:前年比16.4%→3月:同15.1%)が前年比で二桁の大幅上昇を続ける中、電気代(2月:前年比▲5.9%→3月:同▲3.6%)、ガス代(2月:前年比▲10.9%→3月:同▲8.7%)の下落幅が縮小したことから、エネルギー価格の下落率が2月の前年比▲5.1%から同▲2.5%へと縮小した。
3.コアCPI上昇率は夏場にかけてゼロ%台後半へ
円安、原油高の進展を受けて、全国のエネルギー価格は上昇に転じた。ガソリン、灯油の前年比上昇率は3月をピークに縮小に向かうが、原油価格の動きが遅れて反映される電気代、ガス代は17年度入り後に上昇率がプラスに転じ、夏場にかけて伸びを高めることが見込まれる。エネルギーによるコアCPI上昇率の押し上げ寄与は夏場にかけて0.5%程度まで拡大するだろう。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2017年03月31日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1836
経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
斎藤 太郎のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/03/21 | 消費者物価(全国25年2月)-コアCPI上昇率は当面3%前後で推移する見通し | 斎藤 太郎 | 経済・金融フラッシュ |
2025/03/19 | 貿易統計25年2月-関税引き上げ前の駆け込みもあり、貿易収支(季節調整値)が黒字に | 斎藤 太郎 | 経済・金融フラッシュ |
2025/03/11 | 2024~2026年度経済見通し-24年10-12月期GDP2次速報後改定 | 斎藤 太郎 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/03/07 | 可処分所得を下押しする家計負担の増加-インフレ下で求められるブラケットクリープへの対応 | 斎藤 太郎 | 基礎研マンスリー |
新着記事
-
2025年03月21日
東南アジア経済の見通し~景気は堅調維持、米通商政策が下振れリスクに -
2025年03月21日
勤務間インターバル制度は日本に定着するのか?~労働時間の適正化と「働きたい人が働ける環境」のバランスを考える~ -
2025年03月21日
医療DXの現状 -
2025年03月21日
英国雇用関連統計(25年2月)-給与(中央値)伸び率は5.0%まで低下 -
2025年03月21日
宇宙天気現象に関するリスク-太陽フレアなどのピークに入っている今日この頃
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
【消費者物価(全国17年2月)~物価の基調は弱いが、コアCPI上昇率は夏場にかけてゼロ%台後半へ】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
消費者物価(全国17年2月)~物価の基調は弱いが、コアCPI上昇率は夏場にかけてゼロ%台後半へのレポート Topへ