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- 【10-12月期米GDP】前期比年率+1.9%、純輸出の特殊要因が剥落し、前期から大幅低下。
2017年01月30日
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実際、輸出を仔細にみると、サービス輸出が+0.9%(前期:+2.0%)と小幅な鈍化に留まった一方、財輸出が▲6.9%(前期:+14.4%)と前期から大幅なマイナスに転じた(図表7)。とくに、財輸出では、食料・飲料が▲55.2%(前期:+216.8%)と米国産大豆輸出の影響により大幅な落ち込みとなったことが分かる。
一方、輸入では、サービス輸入が▲2.7%(前期:+9.8%)と前期からマイナスに転じたものの、財輸入が+10.9%(前期:+0.5%)と2桁の伸びに加速した(図表8)。サービス輸入では特許使用料等が▲35.1%(前期:+65.1%)と、前期が大幅な伸びとなった反動でマイナスに転じたことが響いた。財輸入では、自動車・自動車部品が+10.4%(前期:+4.5%)と前期から伸びが加速したほか、消費財(除く食料品・自動車)が+16.5%(前期:▲1.4%)と5期ぶりに大幅なプラスに転じた。
一方、輸入では、サービス輸入が▲2.7%(前期:+9.8%)と前期からマイナスに転じたものの、財輸入が+10.9%(前期:+0.5%)と2桁の伸びに加速した(図表8)。サービス輸入では特許使用料等が▲35.1%(前期:+65.1%)と、前期が大幅な伸びとなった反動でマイナスに転じたことが響いた。財輸入では、自動車・自動車部品が+10.4%(前期:+4.5%)と前期から伸びが加速したほか、消費財(除く食料品・自動車)が+16.5%(前期:▲1.4%)と5期ぶりに大幅なプラスに転じた。
(物価・名目値)物価は緩やかながら上昇基調が持続
10-12月期のGDP価格指数は、前期比年率+2.1%(前期:+1.4%)と前期から伸びが加速、市場予想(同+2.1%)には一致した。名目GDP成長率は前期比年率+4.0%(前期:同+5.0%)と、前期から低下した(図表9)。
FRBが物価の指標として注目するPCE価格指数2は、前期比年率+2.2%、前年同期比+1.5%(前期:+1.5%、+1.0%)となった(図表10)。さらに、食料品とエネルギーを除いたコアPCE価格指数は前期比年率+1.3%、前年同期比+1.7%(前期:+1.7%、+1.7%)となった。
PCE価格指数(前年同期比)はエネルギー価格の持ち直しもあり、15年7-9月期の+0.3%を底に緩やかながら上昇基調が持続しており、FRBが目標とする2%を上回った。もっとも、FRBが物価動向を判断する上で重視しているコア価格指数の方は、目標水準を下回って安定推移しており、政策金利の引き上げペースを加速させるほどの物価上昇圧力の高まりはみられない。
10-12月期のGDP価格指数は、前期比年率+2.1%(前期:+1.4%)と前期から伸びが加速、市場予想(同+2.1%)には一致した。名目GDP成長率は前期比年率+4.0%(前期:同+5.0%)と、前期から低下した(図表9)。
FRBが物価の指標として注目するPCE価格指数2は、前期比年率+2.2%、前年同期比+1.5%(前期:+1.5%、+1.0%)となった(図表10)。さらに、食料品とエネルギーを除いたコアPCE価格指数は前期比年率+1.3%、前年同期比+1.7%(前期:+1.7%、+1.7%)となった。
PCE価格指数(前年同期比)はエネルギー価格の持ち直しもあり、15年7-9月期の+0.3%を底に緩やかながら上昇基調が持続しており、FRBが目標とする2%を上回った。もっとも、FRBが物価動向を判断する上で重視しているコア価格指数の方は、目標水準を下回って安定推移しており、政策金利の引き上げペースを加速させるほどの物価上昇圧力の高まりはみられない。
2 現在、FOMCのメンバーは四半期に一度物価見通しを公表しており、そこで物価の指標として採用されている指数がPCE価格指数とコアPCE価格指数である。見通しは年単位で、各年の10-12月期における前年同期比が公表されている。
(2017年01月30日「経済・金融フラッシュ」)
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経歴
- 【職歴】
1991年 日本生命保険相互会社入社
1999年 NLI International Inc.(米国)
2004年 ニッセイアセットマネジメント株式会社
2008年 公益財団法人 国際金融情報センター
2014年10月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
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