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まちづくりレポート|住宅団地活性化なるか!-広島市戸建住宅団地活性化の取り組み

社会研究部 都市政策調査室長・ジェロントロジー推進室兼任 塩澤 誠一郎
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そして、10年間で増加した年代は10~12歳など限られたものとなっている。今後の10年間も同様な傾向が続けば、現在最も多い60~70代が70~80代となる中で、全体の人口は減少していくことが容易に予測できる。また、一斉に高齢者施設などへの転居や死亡時期を迎えることで、世帯数も減少していくだろう。
3 直近の世帯数の増加要因の一つに、一戸建てからアパート・マンションに建て替えたことによる民営借家の増加がある。一般的に民営借家世帯は持ち家世帯より小規模であることから、1世帯当たり人員の減少には、民営借家の増加も要因の一つになっていると考えられる。
市は、市の中心部に近く駅至近にある利便性の高い限られた住宅団地以外、このような状況はすべてに当てはまると考えている。
広島市はバス路線が発達しており、現在はほとんどの住宅団地に、市中心部から路線バスが通っている。しかし、このまま人口減少が続けば、利用者が減り、便数の減少や路線の廃止につながり、同様に、住宅団地内や周辺に立地する店舗などの生活利便施設が次第に縮小していくことが懸念される。
高齢になるほど、自家用車の運転が困難になってくることから、多くの高齢者にとって、著しく生活利便性が失われ、転居を余儀なくされる。転居した住宅に若い世帯が新たに入居すればよいが、不便な環境で活力がなければ、新たに住宅団地に住もうとする若い世帯も少なくなる。ますます人口減少、世帯の減少が進むことになる。このまま対策を講じなければ、大量の空き家、空き地が発生する可能性がある。
5|住宅団地活性化研究会
こうした状況を重くみた市は、2013年5月に学識経験者や団地住民、関係団体からなる「住宅団地活性化研究会」を設置した。研究会は2015年2月までに9回開催され、研究会の意見を踏まえ、最終的に冒頭紹介した「住宅団地の活性化に向けて」を市が取りまとめた。
同時に、関係課の課長を構成メンバーとする「住宅団地活性化庁内調整会議」を設置し、庁内横断的に連携を図り、個別分野の課題に対応する体制を整えた。
(2016年11月29日「基礎研レポート」)

03-3512-1814
- 【職歴】
1994年 (株)住宅・都市問題研究所入社
2004年 ニッセイ基礎研究所
2020年より現職
・技術士(建設部門、都市及び地方計画)
【加入団体等】
・我孫子市都市計画審議会委員
・日本建築学会
・日本都市計画学会
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