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- さくらレポート(2016年7月)~景気判断は2地域で引き下げ、先行きは景況感の悪化が鮮明
先行きについては、北海道、東北、九州・沖縄を除く6地域で今回調査から悪化が見込まれるなど不透明感が強まっている。業種別では、円高の進行や新興国経済の減速を受けて、輸送用機械、はん用・生産用・業務用機械を中心に悪化が鮮明となっている(図6)。一方、原油価格の回復が石油・石炭製品の景況感にプラス寄与したほか、市況改善により鉄鋼や金属製品にも持ち直しの動きがみられる。
日銀短観6月調査では、大企業製造業の2016年度想定為替レートが111.41円と3月調査時点(117.46円)から6円程度円高方向に修正されている。しかしながら、英国のEU離脱を受けて足元の為替レートは101円前後と10円程度円高が進行しており、次回調査の9月にかけて円高傾向が定着した場合、企業マインドや設備投資に悪影響を及ぼす可能性が高い。
4.非製造業の業況判断は現状、先行きともに8地域で悪化
前回調査からの悪化幅は、熊本地震の影響で九州・沖縄(▲12ポイント)が最大となり、次いで四国(▲7ポイント)、東海、近畿、中国(▲4ポイント)と続いている(図8)。九州・沖縄では、熊本地震による交通網の寸断やインバウンド消費の減速を受けて、宿泊・飲食サービス(▲50ポイント)や運輸・郵便(▲20ポイント)など11業種中8業種で悪化した(図9)。四国では、対事業所サービス(▲22ポイント)が大幅な悪化となったほか、公共工事の減少などから建設(▲12ポイント)が悪化した。近畿では、インバウンド需要の鈍化などを受けて宿泊・飲食サービス(▲23ポイント)、小売(▲13ポイント)など幅広い業種(10業種中8業種)で悪化した。中国では、鉱業・採石業・砂利採取業(▲15ポイント)、運輸・郵便(▲11ポイント)などの悪化幅が大きかった。前回調査から小幅な悪化(▲1ポイント)にとどまった北陸では、新幹線開業効果が薄れたこともあり宿泊・飲食サービス(▲24ポイント)の悪化幅は11業種中で最大となった。
先行きについては、全9地域で悪化する見込みである。業種別では、燃料価格の上昇を受けて運輸・郵便が悪化するほか、高水準を維持している建設や不動産などで悪化が見込まれる(図10)。引き続き国内需要の低迷、円高や新興国経済減速を背景にインバウンド需要が細るとの懸念が高まっていることが、非製造業の景況感を押し下げているとみられる。国内需要の低迷が続くなか、先行きは為替水準や海外経済の動向に注意が必要となろう。
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岡 圭佑
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(2016年07月07日「経済・金融フラッシュ」)
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