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- 中古住宅を取得した理由‐昨今の住宅取得事情(その5)
2016年03月24日

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■要旨
中古住宅を取得する人は年々増えており、その背景には持ち家取得について新築にこだわらない層が増えていることが上げられる。中古住宅にした理由では、価格が安いことが第1であり、中古住宅にしなかった理由は、古いことから来る品質面への懸念を上げる人が比較的多い。
■目次
1――最近の中古住宅取得の傾向
1|中古住宅取得者の増加
2|中古住宅に対する消費者の意識
2――中古住宅の魅力と懸念
1|中古住宅にした理由
2|中古住宅にしなかった理由
中古住宅を取得する人は年々増えており、その背景には持ち家取得について新築にこだわらない層が増えていることが上げられる。中古住宅にした理由では、価格が安いことが第1であり、中古住宅にしなかった理由は、古いことから来る品質面への懸念を上げる人が比較的多い。
■目次
1――最近の中古住宅取得の傾向
1|中古住宅取得者の増加
2|中古住宅に対する消費者の意識
2――中古住宅の魅力と懸念
1|中古住宅にした理由
2|中古住宅にしなかった理由
「昨今の住宅取得事情」の第5回は、近年取得者が増えている中古住宅に着目する。
1――最近の中古住宅取得の傾向
2――中古住宅の魅力と懸念
1|中古住宅にした理由
図表3-1は中古住宅取得者が中古住宅にした理由について複数回答した結果である。「予算的に見て中古住宅が手頃だった」が約75%で最も高くなっている。次に「新築住宅にこだわらなかったから」が約43%で高くなっている。中古住宅取得層にとって、新築か中古か以前に価格が安いことが、中古住宅の魅力になっていると理解できる。
「リフォームによって快適に住めると思った」(約31%)、「間取りや、台所、浴室等の設備、広さが気に入った」(約27%)の割合が比較的高い点も、積極的に中古住宅を選択している昨今の傾向を示している。
2|中古住宅にしなかった理由
注文住宅、分譲住宅取得者が中古住宅にしなかった理由(図表3-2)を見ると、「新築の方が気持ち良いから」の割合が最も高くなっているが、これを除けば、「リフォーム費用やメンテナンス費用で結局割高になる」、「隠れた不具合が心配」、「耐震性や断熱性など品質が低そうだから」、「給排水管などの設備の老朽化が懸念された」などの理由が高くなっている。総じて古いことからくる品質面への懸念と読み取れる。
こうした中古住宅に対する懸念点を取り除くことができれば、若く、年収が低いファミリー層が、新築より安い価格で、安心して良質な中古住宅を購入することができるようになるであろう。
図表3-1は中古住宅取得者が中古住宅にした理由について複数回答した結果である。「予算的に見て中古住宅が手頃だった」が約75%で最も高くなっている。次に「新築住宅にこだわらなかったから」が約43%で高くなっている。中古住宅取得層にとって、新築か中古か以前に価格が安いことが、中古住宅の魅力になっていると理解できる。
「リフォームによって快適に住めると思った」(約31%)、「間取りや、台所、浴室等の設備、広さが気に入った」(約27%)の割合が比較的高い点も、積極的に中古住宅を選択している昨今の傾向を示している。
2|中古住宅にしなかった理由
注文住宅、分譲住宅取得者が中古住宅にしなかった理由(図表3-2)を見ると、「新築の方が気持ち良いから」の割合が最も高くなっているが、これを除けば、「リフォーム費用やメンテナンス費用で結局割高になる」、「隠れた不具合が心配」、「耐震性や断熱性など品質が低そうだから」、「給排水管などの設備の老朽化が懸念された」などの理由が高くなっている。総じて古いことからくる品質面への懸念と読み取れる。
こうした中古住宅に対する懸念点を取り除くことができれば、若く、年収が低いファミリー層が、新築より安い価格で、安心して良質な中古住宅を購入することができるようになるであろう。
(2016年03月24日「基礎研レター」)
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03-3512-1814
経歴
- 【職歴】
1994年 (株)住宅・都市問題研究所入社
2004年 ニッセイ基礎研究所
2020年より現職
・技術士(建設部門、都市及び地方計画)
【加入団体等】
・我孫子市都市計画審議会委員
・日本建築学会
・日本都市計画学会
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