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- 地域により異なる住宅取得事情‐昨今の住宅取得事情(その4)
2016年03月22日

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■要旨
名古屋圏の戸建注文住宅取得層は、他の都市圏より多くの、年収が低くて自己資金に乏しい若い層が、親などの支援を受けて、戸建注文住宅を取得している。東京圏や大阪圏は、自宅を建て替える層や、元の住宅を売却して新たに新築する層が比較的多い。
■目次
1――地域別住宅取得資金の違い
1|名古屋圏は「固定金利期間選択型」の利用率が高い
2|名古屋圏は贈与の割合が高い
2――地域別世帯主年齢の違い
1|名古屋圏は若い取得者が多い
2|東京圏、大阪圏は建て替えや買い換え層が多い
名古屋圏の戸建注文住宅取得層は、他の都市圏より多くの、年収が低くて自己資金に乏しい若い層が、親などの支援を受けて、戸建注文住宅を取得している。東京圏や大阪圏は、自宅を建て替える層や、元の住宅を売却して新たに新築する層が比較的多い。
■目次
1――地域別住宅取得資金の違い
1|名古屋圏は「固定金利期間選択型」の利用率が高い
2|名古屋圏は贈与の割合が高い
2――地域別世帯主年齢の違い
1|名古屋圏は若い取得者が多い
2|東京圏、大阪圏は建て替えや買い換え層が多い
住宅取得の状況も、地域別に見るとやや異なってくる。「昨今の住宅取得事情」の第4回は、「戸建注文住宅の顧客実態調査」から地域別の傾向を読み取る。
1――地域別住宅取得資金の違い
2|名古屋圏は贈与の割合が高い
名古屋圏は取得資金額が低く、贈与の割合が高い点も特徴的である。平均贈与額は東京圏が229万円、名古屋圏が288万円、大阪圏が236万円、地方都市圏が175万円と、名古屋圏が最も高くなっている。名古屋圏の取得資金合計は4,209万円と都市圏の中で最も少額であることから、取得資金合計に対する贈与額の割合は6.9%で、次に高い東京圏より2ポイントも高くなっている。(図表2、3)
また、東京圏や大阪圏に比べ、自己資金の割合が低く、借入の割合が高くなっている。贈与額の割合が高いことは、2014年に限ったことではなく、過去5年間の推移を見ると、名古屋圏が常に最も高くなっている。(図表4)
名古屋圏は取得資金額が低く、贈与の割合が高い点も特徴的である。平均贈与額は東京圏が229万円、名古屋圏が288万円、大阪圏が236万円、地方都市圏が175万円と、名古屋圏が最も高くなっている。名古屋圏の取得資金合計は4,209万円と都市圏の中で最も少額であることから、取得資金合計に対する贈与額の割合は6.9%で、次に高い東京圏より2ポイントも高くなっている。(図表2、3)
また、東京圏や大阪圏に比べ、自己資金の割合が低く、借入の割合が高くなっている。贈与額の割合が高いことは、2014年に限ったことではなく、過去5年間の推移を見ると、名古屋圏が常に最も高くなっている。(図表4)
2――地域別世帯主年齢の違い
1|名古屋圏は若い取得者が多い
こうした名古屋圏における取得資金の特徴は、取得層の世帯主年齢が低いことで説明できる。名古屋圏の平均世帯主年齢は39歳で最も低く、過去5年間40歳を上回ったことはない。(図表5)
他の都市圏より多くの、年収が低くて自己資金に乏しい若い層が、親などの支援を受けて、戸建注文住宅を取得しているのである。
2|東京圏、大阪圏は建て替えや買い換え層が多い
東京圏や大阪圏は、「建て替え」がそれぞれ、38.4%、27.2%、「買い換え」がそれぞれ8.8%、7.0%と名古屋圏や地方都市圏より割合が高く、これが、平均世帯主年齢が高く、自己資金比率が高い要因と言える。つまり、初めて住宅を取得する層だけでなく、自宅を建て替える層や、元の住宅を売却して新たに新築する層が多いのだ。(図表6)
こうした名古屋圏における取得資金の特徴は、取得層の世帯主年齢が低いことで説明できる。名古屋圏の平均世帯主年齢は39歳で最も低く、過去5年間40歳を上回ったことはない。(図表5)
他の都市圏より多くの、年収が低くて自己資金に乏しい若い層が、親などの支援を受けて、戸建注文住宅を取得しているのである。
2|東京圏、大阪圏は建て替えや買い換え層が多い
東京圏や大阪圏は、「建て替え」がそれぞれ、38.4%、27.2%、「買い換え」がそれぞれ8.8%、7.0%と名古屋圏や地方都市圏より割合が高く、これが、平均世帯主年齢が高く、自己資金比率が高い要因と言える。つまり、初めて住宅を取得する層だけでなく、自宅を建て替える層や、元の住宅を売却して新たに新築する層が多いのだ。(図表6)
(2016年03月22日「基礎研レター」)

03-3512-1814
経歴
- 【職歴】
1994年 (株)住宅・都市問題研究所入社
2004年 ニッセイ基礎研究所
2020年より現職
・技術士(建設部門、都市及び地方計画)
【加入団体等】
・我孫子市都市計画審議会委員
・日本建築学会
・日本都市計画学会
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