- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- アジア経済 >
- 【アジア新興経済レビュー】底堅い内需も輸出不振の長期化が足枷に
2016年02月01日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
- (実体経済)
生産面の伸び率(前年同月比)の動きを見ると、内需が底堅いものの、輸出の低迷で持ち直しの動きが鈍い状況が続いている。タイ・インドネシア・フィリピンが3ヵ月・6ヵ月平均を上回る一方、韓国と台湾は輸出不振や在庫増を受けた生産調整により電子部品や機械設備を中心に低迷した。
- (消費者物価上昇率)
12月の消費者物価上昇率(前年同月比)は、14年後半の原油価格下落による物価下押し圧力が後退して緩やかな上昇傾向にはあるものの、景気減速や原油一段安の影響で上昇ペースは鈍い。インドが食品価格を中心に上昇する一方、インドネシアが補助金付き燃料価格値上げの上昇要因の剥落により、中央銀行のインフレ目標圏内(2015年は3-5%)の下方まで低下した。
- (金融政策)
1月は、韓国・マレーシア・インドネシアの中央銀行で金融政策会合が開かれ、インドネシアが政策金利を0.25%引き下げ、その他の会合では据え置きとなった。
- (1月の注目ニュース)
-韓国・台湾・フィリピン:10-12月期GDPを公表(26日、28日、29日)
-台湾:正副総統、立法院選挙で民進党が勝利(16日)
-インドネシア:首都ジャカルタでテロ発生(14日)
-マレーシア:原油一段安を受け、2016年度補正予算案を公表(28日)
- (2月の主要指標)
2月は、マレーシア・タイ・インドネシア・インドで10-12月期のGDP統計 が公表される。マレーシアはGST導入によって鈍化した個人消費が下げ止まるか、インドネシアは矢継ぎ早に打ち出された経済政策パッケージや予算執行の加速による公共投資の拡大で景気が上向くか、そしてインドでは2015年に実施した4度に渡る利下げが民間部門を刺激することができるかに注目したい。
(2016年02月01日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1780
経歴
- 【職歴】
2008年 日本生命保険相互会社入社
2012年 ニッセイ基礎研究所へ
2014年 アジア新興国の経済調査を担当
2018年8月より現職
斉藤 誠のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/07/07 | ベトナム経済:25年4-6月期の成長率は前年同期比7.96%増~駆け込み輸出により製造業が好調 | 斉藤 誠 | 経済・金融フラッシュ |
2025/06/23 | 東南アジア経済の見通し~政策対応で内需は底堅いが、外需は不透明感増し、景気減速へ | 斉藤 誠 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/06/13 | インド消費者物価(25年5月)~5月のCPI上昇率は+2.8%、食品価格の低下が続いて6年ぶりの低水準に | 斉藤 誠 | 経済・金融フラッシュ |
2025/06/12 | インド株式市場における国内投資家の存在感と資金構造の変化 | 斉藤 誠 | 基礎研レポート |
新着記事
-
2025年07月11日
トランプ関税の日本経済への波及経路-実質GDPよりも実質GDIの悪化に注意 -
2025年07月10日
企業物価指数2025年6月~ガソリン補助金の影響などで、国内企業物価は前年比3%を割り込む~ -
2025年07月10日
ドイツの生命保険監督を巡る動向(2)-BaFinの2024年Annual ReportやGDVの公表資料からの抜粋報告(生命保険会社等の監督及び業績等の状況)- -
2025年07月09日
バランスシート調整の日中比較(後編)-不良債権処理で後手に回った日本と先手を打ってきた中国 -
2025年07月09日
貸出・マネタリー統計(25年6月)~銀行貸出の伸びが回復、マネタリーベースは前年割れが定着
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年07月01日
News Release
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
【【アジア新興経済レビュー】底堅い内需も輸出不振の長期化が足枷に】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
【アジア新興経済レビュー】底堅い内需も輸出不振の長期化が足枷にのレポート Topへ