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主成分分析の観点から見た日本国債金利と米国債金利の連動性-アベノミクス下のイールドカーブの変化を振り返る
金融研究部 金融調査室長・年金総合リサーチセンター兼任 福本 勇樹
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- 米国の金融政策では今後も利上げを行う方向性が示されている一方で、日本では異次元金融緩が継続されると見られている。
日本国債金利と米国債金利間の連動性から、米国の金融政策が日本国債金利に上昇圧力を与える可能性が指摘されている。
- 主成分分析を用いて、米国債のイールドカーブの変化と日本国債のイールドカーブの変化の連動性について調べた結果、主要な主成分(水準、傾き)は一定の連動性を持って推移しているものの、日米の重要なマーケットイベント直後に局所的に変化する傾向があることが分かった。
- 現在は、日米の国債金利間の連動性が弱まりつつあるだけではなく、一部の年限で主成分(曲率)が逆方向に連動しており、米国債金利が変動しても日本国債金利が変動しにくい状況になっている。
- 日米の国債金利間の同方向の連動性が失われた際に、日本国債金利に金利変動圧力が蓄積される可能性は考えられる。
現在は、傾き方向の連動性がほとんどなくなっているが、何かのマーケットイベントをきっかけに連動性が元のレベルまで回復した際に、日本国債の超長期金利が反動的に上昇する可能性について留意した方がよいのかもしれない。
■目次
1――はじめに
2――日本国債と米国債のイールドカーブに関する主成分分析
3――主成分分析から見た日米国債イールドカーブの連動性
1|各主成分得点に関する連動性の推移
2|日米イールドカーブの変化幅への影響
3|日米国債金利(10年物)の関係
4――まとめ
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03-3512-1848
- 【職歴】
2005年4月 住友信託銀行株式会社(現 三井住友信託銀行株式会社)入社
2014年9月 株式会社ニッセイ基礎研究所 入社
2021年7月より現職
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会検定会員
・経済産業省「キャッシュレスの普及加速に向けた基盤強化事業」における検討会委員(2022年)
・経済産業省 割賦販売小委員会委員(産業構造審議会臨時委員)(2023年)
【著書】
成城大学経済研究所 研究報告No.88
『日本のキャッシュレス化の進展状況と金融リテラシーの影響』
著者:ニッセイ基礎研究所 福本勇樹
出版社:成城大学経済研究所
発行年月:2020年02月
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