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- 日銀短観(6月調査)予測~大企業製造業の業況判断D.I.は4ポイント低下の2を予想
2016年06月21日
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■要旨
- 6月調査短観では、注目度の高い大企業で製造業・非製造業ともに前回に続いて景況感の悪化が示されると予想する。日本経済は長らく勢いがなく、停滞が続いている。1-3月期の実質成長率は、うるう年の影響を除けばわずかなプラスに留まったうえ、4月以降の経済指標も勢いを欠いている。また、市場では、米利上げ観測の鈍化や英国のEU離脱懸念などから、前回調査後も円高進行に歯止めがかかっていない。こうした状況下で、製造業では円高進行を受けて景況感の悪化が顕著になりそうだ。軽自動車の燃費不正問題も景況感を下押しするだろう。非製造業では、国内消費の低迷が長引いているうえ、円高や震災の影響などから、支えであったインバウンド需要の勢いに陰りが出ており、景況感の悪化に繋がりそうだ。中小企業も大企業同様、景況感の悪化が示されると予想している。
- 先行きの景況感も総じて悪化しそうだ。新興国の減速懸念やさらなる円高への警戒などが製造業の悲観に繋がるだろう。非製造業もインバウンド需要を通じて海外経済や為替の影響を受けやすくなっているうえ、賃上げ期待が減退しており、厳しい見方が示されそうだ。
- 16年度の設備投資計画は、0.4%増と前回調査時点の4.8%減から上方修正されると予想。例年、6 月調査にかけては大きく上方修正される傾向が強いが、今回は例年に比べて上方修正が抑制的となり、水準としても6月調査としては5年ぶりの低水準に留まりそうだ。円高の進行などから製造業を中心に収益が圧迫されており、先行きの不透明感が強いことが企業の様子見スタンスに繋がっていると考えられる。
- 今回最も注目されるのが16年度の設備投資計画だ。経営環境が厳しさを増すなかで、どこまで上方修正が行われるかが焦点となる。16年度の日本経済を占う意味でも重要となる。
(2016年06月21日「Weekly エコノミスト・レター」)
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経歴
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
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