コラム
2015年10月30日

女性活躍推進-日本もできる―ジェンダーギャップ指数は104位だが、意識・行動を変えて一気に進めよう。

経済研究部 取締役 部長   宮垣 淳一

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1985年に男女雇用機会均等法ができて30年。政府の旗振りもあり、ようやく女性役員登用のニュースなども増えてきた。しかし、30年間の歩みは非常に遅かったと言わざるを得ない。
   ダボス会議で有名な世界経済フォーラムがジェンダーギャップ指数という指数を発表している。各国における男女間の格差を数値化してランキングしたものだ。日本は142カ国中104位(2014年)、先進国の中では極めて低い順位だ。

女性がもっともっと活躍できる社会を作っていくことの必要性は誰もが認めるところ。
   104位と言われてしまうと、絶望的な気持ちになるし、8月に成立した「女性活躍推進法」の議論の中でも企業からは「急に目標を高く設定しても、そんなに簡単には達成できない。そもそもそんなに能力と意欲のある女性人材が社内に育っていない。」と言った声が聞かれた。
   本当にそうだろうか。1985年の大学への進学率は男性38.6%女性13.7%だった。それが、2014年には男性55.9%女性47.0%となり、短大も合わせると56.5%と女性の方が高い。高学歴で能力開発の進んだ女性は大きく増えている。

ある会議でスイスの女性からこんなことを言われた。「やはりこのミーティングには日本の女性はいないのか。スイスで女性に参政権が与えられたのは1971年(日本は1945年)だ。日本よりずっと遅い。そのころまではスイスでも『女性は社会進出する必要はない。家庭を守っていれば良いのだ。』という意識がまだまだ強かった。でも国民の意識は大きく変化し、今スイスの女性は社会の多くの分野で活躍している。日本もがんばって欲しい。」と。スイスの2014年のジェンダーギャップ指数は11位だ。
   3年や5年の期間で社会が大きく変わることは難しいだろう。しかし、このスイスの例を聞けば、10年、20年という単位の中では、社会も国民の意識も大きく変化することがイメージできる。

1985年以降、均等法のルールに当時の人事運営を合わせるためにコース別人事制度を導入し、会社における男女の役割の固定化を結局推進してしまったのではないか。どんどん高学歴化する女性を採用しながらも、総合職の枠組みの中で活躍していったのは、家庭責任が小さい女性群が中心になったのではないか。自らの男女役割分担意識を変えることなく変化を拒んできたのではないか。

克服すべき課題は、様々な場面で言いつくされているが、男性の育児・家事参加を事実上阻んできた長時間労働の抑制、社会・企業・家族における男女役割分担意識の解消などだ。それぞれの企業・個人がどうしてこれまでの取組みが十分でなかったのかを真摯に反省することがまずは大切だろう。その上で、自分たちも周りの企業・個人もこれから変化できると確信し、意欲的な目標に向かっていくことが求められている。

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経済研究部   取締役 部長

宮垣 淳一 (みやがき じゅんいち)

研究・専門分野
経済研究部統括

(2015年10月30日「研究員の眼」)

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