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2024年04月24日
米国でのiPhone競争法訴訟-司法省等が違法な独占確保につき訴え
03-3512-1866
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■要旨
2024年3月21日、米国司法省および16州は、AppleがiPhoneについてシャーマン法2条に違反して私的独占を確保、維持したとして、Appleを相手方として提訴を行った。
iPhoneはAndroid端末と並んで、スマートフォン市場で大きなシェアを有する。米国における全体的なシェアは5割強であるが、10代の若者では90%以上がiPhoneを利用し、かつ機種変更にあたっては9割以上がiPhoneからiPhoneへと乗り換えるという数字がある。
AppleはiPhoneからAndroid端末へ乗り換えが起こらないように、アプリ開発業者(サードパーティー)にさまざまな規制をかけた。たとえば、各種の機能を有するアプリをひとつのアプリにまとめたスーパーアプリを規制することや、通信アプリの機能を制限することでAndroid端末とのテキストのやり取りの質を下げること、あるいはデジタルウォレットでタップ・トゥ・ペイ機能をApple Payに限定することなどを行った。
これらのことを通じてAppleは、ハイエンドのスマートフォン(パフォーマンス・スマートフォン)市場での独占を違法に確保、維持した。また、エントリーモデルを含むスマートフォン市場としてもその独占を違法に確保、維持したと米国司法省等は主張する。
本件については、Appleが独占的な地位にいる関連市場として、パフォーマンス・スマートフォン市場、あるいはスマートフォン市場が確定できるのかが問題となる。パフォーマンス・スマートフォン市場がエントリーモデルと代替性がなく、単独の市場として認定できない場合においては、iPhoneのシェアは5割強に過ぎず、独占状態と言いにくい。
ただし、若年層のシェアが9割を超え、かつ機種変更でも9割を超える利用者がiPhoneにしていることから、将来を見越すと独占状態にあると言えるかもしれない。
いずれにせよ、本件には論点が多く、長期の訴訟係属が予想される。
■目次
1――はじめに
2――Appleの市場支配の経緯
1|Appleの現状
2|Appleの発展の経緯
3|Appleのサードパーティへの規制
3――スマートフォンの独自性
4――Appleの独占力の不当な維持(その1)
1|総論
2|スーパーアプリへの制限
3|クラウドストリーミングアプリへの制限
5――Appleの独占力の不当な維持(その2)
1|メッセージアプリの妨害
2|スマートウォッチにおける妨害
3|デジタルウォレットにおける妨害
6――Appleの独占力の不当な維持(まとめ)
7――反競争的効果
1|Appleの反競争的行為
2|Appleの反競争的行為の今後
3|セキュリティとプライバシー保護は正当化理由とはならない
8――関連市場
1|スマートフォン市場の特徴
2|関連市場としての高性能スマートフォン市場
3|関連市場としてのスマートフォン市場
4|地域市場としての米国市場
5|Appleはスマートフォン市場とパフォーマンス・スマートフォン市場で独占的な力を有する
9――違反の主張と救済
1|違反の主張
2|救済
10――案件の検討
1|概観
2|関連市場
3|排除行為・支配行為
11――おわりに
2024年3月21日、米国司法省および16州は、AppleがiPhoneについてシャーマン法2条に違反して私的独占を確保、維持したとして、Appleを相手方として提訴を行った。
iPhoneはAndroid端末と並んで、スマートフォン市場で大きなシェアを有する。米国における全体的なシェアは5割強であるが、10代の若者では90%以上がiPhoneを利用し、かつ機種変更にあたっては9割以上がiPhoneからiPhoneへと乗り換えるという数字がある。
AppleはiPhoneからAndroid端末へ乗り換えが起こらないように、アプリ開発業者(サードパーティー)にさまざまな規制をかけた。たとえば、各種の機能を有するアプリをひとつのアプリにまとめたスーパーアプリを規制することや、通信アプリの機能を制限することでAndroid端末とのテキストのやり取りの質を下げること、あるいはデジタルウォレットでタップ・トゥ・ペイ機能をApple Payに限定することなどを行った。
これらのことを通じてAppleは、ハイエンドのスマートフォン(パフォーマンス・スマートフォン)市場での独占を違法に確保、維持した。また、エントリーモデルを含むスマートフォン市場としてもその独占を違法に確保、維持したと米国司法省等は主張する。
本件については、Appleが独占的な地位にいる関連市場として、パフォーマンス・スマートフォン市場、あるいはスマートフォン市場が確定できるのかが問題となる。パフォーマンス・スマートフォン市場がエントリーモデルと代替性がなく、単独の市場として認定できない場合においては、iPhoneのシェアは5割強に過ぎず、独占状態と言いにくい。
ただし、若年層のシェアが9割を超え、かつ機種変更でも9割を超える利用者がiPhoneにしていることから、将来を見越すと独占状態にあると言えるかもしれない。
いずれにせよ、本件には論点が多く、長期の訴訟係属が予想される。
■目次
1――はじめに
2――Appleの市場支配の経緯
1|Appleの現状
2|Appleの発展の経緯
3|Appleのサードパーティへの規制
3――スマートフォンの独自性
4――Appleの独占力の不当な維持(その1)
1|総論
2|スーパーアプリへの制限
3|クラウドストリーミングアプリへの制限
5――Appleの独占力の不当な維持(その2)
1|メッセージアプリの妨害
2|スマートウォッチにおける妨害
3|デジタルウォレットにおける妨害
6――Appleの独占力の不当な維持(まとめ)
7――反競争的効果
1|Appleの反競争的行為
2|Appleの反競争的行為の今後
3|セキュリティとプライバシー保護は正当化理由とはならない
8――関連市場
1|スマートフォン市場の特徴
2|関連市場としての高性能スマートフォン市場
3|関連市場としてのスマートフォン市場
4|地域市場としての米国市場
5|Appleはスマートフォン市場とパフォーマンス・スマートフォン市場で独占的な力を有する
9――違反の主張と救済
1|違反の主張
2|救済
10――案件の検討
1|概観
2|関連市場
3|排除行為・支配行為
11――おわりに
(2024年04月24日「基礎研レポート」)
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