2015年05月19日

韓国における生命保険市場の現状や今後のあり方

生活研究部 准主任研究員   金 明中

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■要旨

  • 韓国では少子・高齢化の急速な進展に伴い、社会保障に対する国の支出が継続的に増加している。そこで、社会的リスクに対する政府の公的制度と共に、自助努力としての民間保険の必要性に対する認識がますます広がっている。
  • 韓国政府としては、老後所得保障の2階部分として生命保険を含む民間保険の活性化を望んでいるが、最近の景気低迷などにより、とくに若年層の生命保険離れが進んでいる。
  • 韓国における生命保険の世帯加入率(2014年)は85.8%で、2013年の83.0%に比べて2.8%ポイント上昇した。また、世帯加入件数も4.0件で2013年の3.6件に比べて0.4件増加している。
  • 生命保険の商品別加入率は、疾病治療重点保障保険 が75.5%で最も高く、次が終身保険(38.0%)、年金保険(30.0%)、致命的疾病保険 (13.8%)、貯蓄性保険(13.4%)、変額保険(7.7%)、教育保険(4.7%)の順であった。
  • 保険料収入を基準とした市場シェアを見ると、2009年に54.1%であった上位3社(サムソン生命、ハンファ生命、教保生命)の割合は、2014年第1四半期には49.0%まで低下した。一方、同期間における銀行系生命保険会社のシェアは10.5%から20.7%まで上昇した。
  • 初回保険料収入を基準とした販売チャネル別シェアは、バンカシュアランスが55.4%で最も高く、次に保険設計士(20.3%)、会社直接販売(17,3%)、代理店(6.7%)の順であった。
  • 大手生命保険会社は国内の生命保険市場の成長性や収益性が悪化していることや、人口高齢化による、更なる被保険者の減少を見通し、2000年代中盤以降、中国や東南アジアなどに進出しているが、まだ大した実績は挙げていない。
  • 2015年における最も大きな課題は、金融監督当局の財務健全性に対する規制強化や保険関連事業に対する規制緩和への対応をどうしていくかである。
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生活研究部   准主任研究員

金 明中 (きむ みょんじゅん)

研究・専門分野
社会保障論、労働経済学、日・韓社会保障政策比較分析

(2015年05月19日「基礎研レター」)

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