2015年04月22日

貿易統計15年3月~貿易収支(季節調整値)は約4年ぶりの黒字も、1-3月期の外需寄与度はマイナスに

経済研究部 経済調査室長   斎藤 太郎

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■見出し

・貿易収支(季節調整値)は東日本大震災以降では初の黒字に
・輸出入ともに回復
・貿易黒字の定着には至らず
・1-3月期の外需寄与度は4四半期ぶりのマイナスに


■要旨

財務省が4月22日に公表した貿易統計によると、15年3月の貿易収支は2,293億円の黒字となった。輸出が前年比8.5%(2月:同2.5%)と前月から伸びを大きく高める一方、輸入の減少幅が2月の前年比▲3.6%から同▲14.5%へと拡大したため、貿易収支は前年に比べ16,794億円の大幅改善となった。
季節調整済の貿易収支は33億円(2月は▲5,732億円の赤字)と小幅ながら4年1ヵ月ぶりの黒字となった。輸出が前月比3.7%(2月:同▲6.9%)と2ヵ月ぶりに増加する一方、輸入が前月比▲5.0%(2月:同▲2.9%)と4ヵ月連続で減少した。
貿易収支には季節性があるため、実勢を判断するためには季節調整値を用いることが適切である。原数値の貿易収支は2年9ヵ月ぶりの黒字だが、季節調整値では東日本大震災発生直前の11年2月以来の黒字となる。実態としては東日本大震災以降、初の貿易黒字とみることができる。

3月の通関(入着)ベースの原油価格は1バレル=54.8ドル(当研究所による試算値)となり、2月の49.5ドルから上昇した。ドバイ原油は、3月は50ドル台半ばで2月とほぼ変わらなかったが、4月に入り60ドル台まで上昇している。このため、通関ベースの原油価格は、4月は3月からほぼ横這いとなるが、5月以降は上昇に転じる可能性が高い。一方、調達価格が原油価格連動型の長期契約となっている液化天然ガス(LNG)の輸入価格は、既往の原油価格下落の影響が反映されることによりしばらく低下するが、夏場以降は上昇に向かうだろう。
輸出数量はここにきて持ち直しているが、海外経済の回復が緩やかにとどまっていることから伸びを大きく高めることは期待しにくい。一方、輸入数量は個人消費を中心とした国内需要の回復を受けて15年度入り後には増加ペースが高まることが見込まれる。貿易収支(季節調整値)は当面、ゼロ近傍で一進一退の動きが続いた後、夏場以降は再び赤字基調になると予想する。

3月までの貿易統計と2月までの国際収支統計の結果を踏まえて、15年1-3月期の実質GDPベースの財貨・サービスの輸出入を試算すると、輸出が前期比1%台半ばの増加、輸入が前期比2%台後半の増加となることが見込まれる。この結果、1-3月期の外需寄与度は前期比▲0.1%(年率▲0.5%程度)と4四半期ぶりのマイナスとなることが予想される。
現時点では、設備投資が増加に転じることなどから国内需要の伸びが高まる一方、外需が成長率の押し下げ要因となるため、実質GDP成長率は前期比年率1%台半ばになると予想している。

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経済研究部   経済調査室長

斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

(2015年04月22日「経済・金融フラッシュ」)

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