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- 改善続く米ISM指数~製造業は6年ぶりに60台を回復
■見出し
・製造業指数が60.4と約6年ぶりの60台回復に~非製造業指数は横ばい
・製造業各指数では、新規受注、生産指数が上伸:各指数別内訳の動向
・非製造業各指数では、まちまちの動きながら、全般的な底上げが持続
■introduction
企業のセンチメントを示すISM(米供給管理協会)指数は、4月製造業指数(PMI)が60.4と3月(59.6)から0.8ポイントの上昇、市場予想値(60.0)を若干上回り、2004年6月(60.5)以来の高水準となった。4月指数の内訳では、生産指数が66.9と前月より5.8ポイントの上昇となり、PMI上昇に寄与が大きかった半面、在庫指数が49.4と前月より▲5.9ポイントの下落を見せて50を割り込みPMIを押し下げた。
PMIは、2008年12月に32.5と近年の低水準を記録したが、その後、昨年8月には製造業の拡大・縮小の分かれ目となる50台を回復、今回で50越えは9ヵ月連続となった。発表元のISMでは、過去のデータから見たPMIが示す経済全体の分かれ目(GDPのゼロ成長)は42.0であり、4月PMIは実質GDP年率6.2%に該当する高水準としている。
一方、4月の非製造業指数(NMI:注)は55.4と3月と同値となり、市場予想の56.0を下回った。ただし、4ヵ月連続で非製造業業況の分かれ目となる50を上回り、NMI発表以来の最高値である3月水準を維持した。NMIは金融危機直後の2008年11月に37.2まで急低下後、昨年9月には50台を回復、その後は一進一退の動きを見せていたが、本年2月以降、上昇を鮮明化していた。
ISM両指数(PMIとNMI)の比較では、金融危機後の落ち込みはPMIが大きかったものの、昨年7月以降は10ヵ月連続でPMIが上回るなど、製造業の改善が先行した形となっている。非製造業の回復の遅れには、個人消費の抑制や住宅バブル崩壊、金融危機等の影響が、サービス業や金融、不動産・建設等に重石となったことを窺わせる。しかし、4月NMIは前月と同水準ながら、事業活動指数が4年ぶりの高水準を回復するなど、企業の業況は、製造業を非製造業が追随する形で、全般的な改善を見せつつあると言えよう。
(注:NMI(=Non-Manufacturing Index) は、2008年1月より非製造業指数の総合指数として発表開始。事業活動、新規受注、雇用、入荷遅延の各指数の均等ウェイトで構成される。なお、試算ベースでは4月NMIは2006年5月以来の高水準となる。)
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土肥原 晋
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